ニート的日常
~プロローグ~
ニートはその有り余る時間を有効に使うことはない。
時間を無駄に使うからこそニートであり、
ニートであるからこそ時間を無駄に使う。
これは抜け出す事の出来ない輪廻とでも言うのだろうか。
暑い……
夜中に目が覚める。
シャツが汗ばんで気持ち悪い。
もうそんな季節になったんだな、と思う。
私の名前は地井武汚。
22歳、乙女座のニート。
世間で言う所のダメ人間である。
しかしまぁ、そのレッテル張りに間違いは無く。
私は紛うことなきダメ人間であった。
例えば今日にしてみても……
目が覚めたのは夕方、
何をするでもなくネットを徘徊し、
それに飽きて再び床に就く。
もう何ヶ月この生活を続けているだろう。
正直、金銭的にも限界をとうに超えている。
体は鈍っていくばかりで、頭も使わない。
毎日が充実しているかと聞かれたら、
私は否と答えるだろう。
では何故ニートを続けているのか。
ネット徘徊が面白いから?
働くのが嫌だから?
人と関わるのが煩わしいから?
どれも的を射ている気もするし、
どれも外れている気もする。
私は自問して……
自慰をして……
目を閉じた。