Neetel Inside ニートノベル
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プロローグ2 ある幼女の一日

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 朝起きると、家はいつもがらんどう。ちょっとだけ寂しいなって、髪をとかしながら思う。お風呂場は静かで、滴が落ちる以外には何も聞こえない。
 毎朝同じ時間に起きて、慌ただしく登校の準備をするのがわたしの日課。目覚ましを止めて、歯を磨いて、朝ご飯を食べて、また歯を磨いて、髪の毛やお洋服を整える。その間には家の中を何度も、行ったり来たりしなくちゃいけない。広い家を歩き回っているのに誰の顔も見ないのは、自分が一人なんだってことをつきつけられるから嫌い。
 わたしには、パパとママがいる。弁護士をしているパパと、デザイン関係の社長をしているママ。周りの大人の人たちは皆、パパとママのことを立派だって言ってくれる。二人の子どもに生まれたわたしは絶対、幸せ者だって。わたしも頭ではわかってる。家に居るとき、二人は優しくしてくれるし、欲しいものをネダれば買ってくれる。でもたまに、優しくなくてもいい、プレゼントをくれなくてもいいから、いつも一緒にいてほしいと思うときがある。おばあちゃんが生きていたころは寂しくなかったけれど、最近は……。
 こんなに贅沢なこと、本当は思っちゃいけないんだ。わたしは反省する。身支度の仕上げに、髪を後ろで二つにまとめた。昨日、ママに買ってもらったヘアゴムを付ける。フリルがついたかわいいデザイン。うん、似合ってるよね。わたしは鏡の前で笑顔を作った。

       

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Neetsha