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   『第三十話~第四十話   憑百編前哨夜戦・択一の分水嶺』

   憑百 珀理
 種族・人間種(特異家系)

 四年前と変わらず滅魔を信条に人外を殺し続けている憑百家現当主。その実力は過去の比ではなく、研鑚と訓練を積み上げてきた旭の四年を異にも介さぬ力を見せつけた。
 旭とリリヤテューリの共闘でも押さえ込むことすら叶わず、一瞬の隙を突いた四門の急襲でかろうじて退けることに成功した。
 人の身を維持したままでは到底不可能と思える力の片鱗を見せた珀理に何かの外法を予感した旭だったが、真相は未だとして不明。


   憑百 琥庵
 種族・人間種(特異家系)

 当主と比べても勝るとも劣らない怪物。生半可な攻撃では傷すら付かない数千数万数億の概念種を取り込んだ降魔の鎧を纏う不屈の滅魔師。
 真名からして何らかの領域を敷くことで付近の概念種を吸引し取り込む機能を有しているようだが、看破することも判明することもないままに四門の助力をもって遠方へ飛ばし、決着は先延ばしとなった。
 

   カナ
 種族・妖怪種

 人面犬が人間の少女に命を救われた果てに得た安穏の日々、それを象徴する新たな名。力は大きく減衰し弱体化したが、代わりに人を愛する心を手に入れた。
 主である奏を喪ったことで生きることを手放そうとしたところを旭に諌められ、生きる意味を見出す為に生き長らえることを決意。
 現代編第一章十五話のカナの独白にて語られる『彼』とは他ならぬこの時期の陽向旭のことである。


   四門
 種族・人間種(特異家系)

 神門家に仕える一族の一人。四方の門の守り人にして空間の接続と跳躍を得意とする。能力の詳細は不明だが、遠距離でも一息で跳べる模様。同様に力を使って敵を遠い地へ強制転移させることも可能なようだ。
 彼に付き従う双子の巫女、冬夏と秋春も相応の力を宿し、意表を突いた不意打ちとはいえど憑百琥庵に一矢報いて見せた。

       

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