Neetel Inside 文芸新都
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死んでしまうという行為はどれだけ人を動かすのでしょうか。私自身ずっと前から死にたいという欲望はありました。これは恐らく怠惰なのでしょう。……飽和? 飽きちゃった、という事でしょうか。まぁそんな戯言なんて死のうとしている人には関係ありません。そうです。私は死ぬんです。死ぬ理由は答えませんが、死ぬ という事は確実なのです。集団自殺。多数で死ねる方が私は好ましいと思います。だって一人で死ぬのは怖いですから。もし死んでしまっても神様が皆と私を一緒に連れて行ってくれるかもしれないという微々たる可能性。死という絶対的な恐怖が少しは和らいでく気がしました。和らぐだけなので消滅という事はないのですが。
私自身は死という願望を抱いています。
そこで目の前で自殺を試みようとしている人がいたとしたら私は一体どうすればいいのでしょうか。素直に止めて、生きるという事を諭す? そんな事をしてしまったら内に秘めている欲望は一体どうすればいいのですか。しかし目の前で死ぬ事を許してしまったら罪悪感で満ちてしまいます。私は。私は…………。……。そんなものを見る前に死んでしまえばいいのです。
――私も一緒に死なせてください。学生なので休日で構いませんか? もしよろしければ返信よろしくお願いします。返信はあっさりとしたものだった
。……はい。連絡を取りたいのでメールアドレスを貼っておくのでお願いします。
―――こんにちは。メイと申します。よろしくお願いします。
『いえいえ。こちらこそ。僕はサトルっていいます。早速なんですがいつ頃にしますか? 気が変わらない内に……と考えると今週の土日なんてどうでしょう』
――そうですね。あとサトルさんはどこにお住まいですか?
『東京なんですが……。メイさんは?』
――私も東京です。そしたらハチ公前なんてどうでしょうか。
『いいですね。まだ時間大丈夫ですか?』
――はい。
『もしあれでしたら、車持ってきましょうか? 練炭がしやすくなります』
――そうですね。一番手軽なのは練炭ですから、練炭ですかね。すいません。車お願いしていいですか?
『全然構いませんよ。そしたら土曜日の昼頃にハチ公前でお願いします』
――はい。
そう私は返信をし、高揚した気分を抑えつつ布団の中へと潜り込んだ。


       

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