イチサン。1-1 傀儡箱編
昼休み。教室で
ミコはクラスメイトのなるに相談をうける。
なる:「ミコ。ちょっといい?」
ミコ:「ん? なる。その顔は、、なになに?」
なる:「エヘヘー。バレたかーっ。」
ミコ:「エヘヘーじゃないよ。なに。」
なる:「最近さー。部室のロッカーからよく
モノが無くなるんだ。タオルだろ。
ハンカチだろ。えっと。
リップクリームだろ。ハンドクリームにシュークリーム。」
ミコ:「えっ。こわっ。誰かに相談した?」
なる:「ミコ。」
ミコ:(、、、ゆるいなあ。)
なる:「でさ。ミコってなんかスゴイじゃん。
なんか。バーンというか。いや。ズバッかな?
でさ。事件現場みてもらおっかなー。なんて。」
ミコ:(直感はキミだろうw)「ま。いいけど(汗)」
事件現場。なるの所属する陸上部の部室。
なる:「これっ。」
なる。ロッカーを勢いよく開ける。
中はゴチャゴチャ。鉄アレイやバランスボールなども見える
ミコ:(スゲエ!よく無くなったモノがわかるなあw)
なる:「はじめはイタズラかと思ったんだ。でも、ほらこれ。」
なるの指差すところに動物の足跡が見える
ミコ:「えっ。何の足跡だろ。」
とつぜん。ミコが肩にから下げている小さめのカバンが激しく動く
なる:「わわっ。なんだ?」
ミコ:「あ。そーだ。」
カバンの口を開くとモルモットのじんぱちが飛び出す。
じんぱち:「ミコさん!もう僕はだまっちゃいない!今日という今日は聴いてもらいますよ。」
ミコ、満面の笑顔。
ミコ:「まあ。聴いてよ、じんぱち。」
じんぱち:「いえっ!今日こそは僕が聴いてもらいます!」
ミコ:「じんちゃん。怒ってるの?おなか空いてるんだね。」
なる、ボーゼンと、ミコとじんぱちのやりとりをみている。
じんぱち:「おなか?おなかは確かに空いてます。あ。チガウ。そうじゃない。」
ミコ:「じんぱちのカッコいいとこみたいなあ。」
ミコ、そういいながらいつのまにか手にはニンジンスティックを持って
じんぱちの鼻先でくるくると円を描く。
じんぱち、ニンジンに合わせてくるくる鼻先を動かす。
ミコ:「じんぱちならきっと解決できる、、
お願い。チカラをかして。これはほんの、お礼だよ。」
じんぱち:「はあわ。い、いいんですか。いただいて。
そ、そうですよね、、僕もおとなげなかった。
ポリポリポリ。(ニンジンを食べている)
話は聞いてました。ポリポリポリ。
僕の役目ですからね。
あー。この足跡ですね。、、くんくんくん、、」
なる:(ボーゼン)
じんぱち:「これは。くんくんくん、、まだニオイが新しい。こっちです。」
ミコはじんぱちをそっと床に放つ。
じんぱちは歩いていく。トコトコトコトコ。
じんぱち:「ハッ。」
じんぱち、走り出す。意外と速い。
追いかける。ミコとなる。
なる:「ねえ。いまアレしゃべったよね。」
ミコ:「静かにっ。」
下駄箱へ到着
じんぱち:「いけません。近すぎます。
静かに覗いてください。」
ミコ:「ごくろう。じんぱち。」
じんぱち:「わあああ。」
ミコ、じんぱちをわしづかみにして元のカバンに入れ口を締める。
ミコとなる、下駄箱の影からのぞくとなるの下駄箱からクツを運び出そうとする白猫人形。
ミコ:「なる。追うよ。」(アレはたしかクグツだった。)
なる:(ナニ?ナニナニナニ?)
学校の菜園。あたりにひとは居ない
大上 まこと、傀儡箱(くぐつばこ)をもっている
まこと:「おっ。成瀬のスニーカーじゃん。でかしたぞ。シロ。」
なる :「え?大上だったの!?」
まこと:「え?成瀬!?」
ミコはまことめがけて蹴りをかます
まこと:「ぐぎっ。」
まことが倒れ、ヘンな声を出す。
白猫人形もパタリと倒れる
まことの手からころげ落ちた傀儡箱
ミコ:(やっぱり。傀儡箱だ。)
なる:(なんなの?ナニナニナニ?)