Neetel Inside 文芸新都
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「ハムベ君、一体誰からの電話だろうか。」
らん豚が座っているのは、つい先日懇意にしている家具屋から運んできた革張りのソファーである。そこにらん豚の汚らしい皮脂がつくと思うと内心ハムベはイライラしていた。こいつは何故一年中半袖半ズボンで過ごしているのだろうか。ハムベはらん豚を用事ができたのですまないが・・・と追い出すと、玄関で憂鬱そうに溜息をついた。ハムを助けなければ・・・。古箪笥のなかから一着のコートを取り出したのだが、これはイタリアで仕事があった際に購入した物で裏地の綺麗な鳩羽色に惹かれたのであった。洗面所で鏡を見る。髭が多少出てきているかもしれな稲、まあいいや。ハムベは家を出た。秋晴れではあるが、風がまた強くなっていた。もう少しすれば雪も降るだろう。さてこのときから実はある人物につけられていたのである。

       

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