Neetel Inside ベータマガジン
表紙

見開き   最大化      

■怪人ハンターズ感想追記



 少し追記しておきたいことがあったので。
 残虐な描写ばかりが目に付く本作だが、前提としてウェットな描写を多く入れ、虐殺される人物へ存分に感情移入させてから殺してくる。その緩急が凄いからこそ怪人の非道が引き立っている。
 前に「妖精で遊ぼう」みたいになってしまっていると書いたが、あちらには妖精への感情移入は殆どない。そういう点で、本作は「妖精で遊ぼう」がライトにエンターテイメントとして虐殺をしているのに対し、ハードなドラマとして虐殺をしているという明確な違いがある。ということで、訂正をしておきたい。申し訳ありませんでした。
 最新更新分でも幼い兄妹が出てきて、妹の方が母を想っている描写など入れている。(死亡フラグにしか見えないが…)
 ジハード編のサトルとレッドウルフ。老人編の良助、石工の老人、犬のスノウを絡めたドラマには見応えがあった。最新更新分でもひよこの死を嘆く家族たちの描写も真に迫っている。
 大将の凄いところは、このウェットな表現が実に感情に訴えかけてくるところ。そっちが余りにシリアスなので、虐殺がちょっとギャグに見えてしまうことがあるぐらいだ。恐らく虐殺展開が好きだからこそ本作のような漫画を描いていると思われるが、普通にハートウォーミングでシリアスなストーリー漫画も描けてしまいそうである。
 ということで、大将の他の漫画ってのも読んでみたい。
 今は本作にかかりきりだと思うが、もし手がすいたら虐殺もホラーもないハートウォーミングな漫画を描いてみても…と思ったが、好みではないかな(笑)
 そしてもう一つ、キャラへの感情移入を十分にさせてから殺してくるから読者は感情を揺さぶられるけれども、描いている作者はどういう心境なのかというのが気になってしまう。
 私は小説書きだからそうでもないが、漫画は視覚効果がある分、よりいっそう自分のキャラは子供のように見えるというか、感情移入しちゃったりしないだろうか? 読者でもあれだけ感情移入してしまうということは、作者もそれ以上に感情移入していておかしくない。そのキャラを容赦なく虐殺できるというのはかなり凄いことでは? 失礼ながらどういう精神構造をしていらっしゃるのか非常に気になるところだ。それとも、漫画は漫画だからという冷めた目で描いているのだろうか…。
 気になったのはそんなところ。
 




以上です。  

       

表紙
Tweet

Neetsha