Bad Smell (12)高校受験

私は母の監視のもと、毎日受験勉強をせざるを得なくなった。しかし、実は、私は最初のうちは嫌々やっていたが、様々なことを覚えて、それをアウトプットすることにいつしか、楽しみを感じていた。
というのも、そもそも私は体臭に悩む前は勉強をすることが大好きだったのだ。つまり、その時の感覚を私は取り戻していったというわけである。

高校に行かないと決めていた私だが、この時期(夏休みあたり)になると、部活も引退しており、少し冷静になっていたので、将来のことを思い、考え方を改めて、高校に進むことにした。

次の問題は、どの高校に進むかである。
母と祖母と何度も相談し、(どんだけ家族に迷惑かけてるんだ私は…)結局、私の中学校の生徒ほぼ全員が滑り止めで受ける、市外の私立高校に行くこととなった。

私は正直市外だと時間がかかるし、(事実1時間以上かかった)、市内の高校に通いたかったのだが、母が先生に絶対に私立の方が良いと、猛アピールした。また、その高校以外、受験を受けることを許可してくれなかった。(高校受験は親の署名が無いと受けられない。)

今思えば、母の判断は正しかった。市外の高校だと、いじめを行った相手と離れられる。また、さらに、そのことで心機一転し、高校デビューを果たし、そして、いじめで失った楽しい学生人生を取り戻せる可能性も大いにあったからだ。

(結局、私はそれができなかったのだが。本当に母には申し訳ないと思っている。)

間をかなり飛ばすが、過去問や塾での勉強を経て万全の対策を施し、いよいよその高校の受験当日となった。外は大吹雪。十数メートル先が全く見えないレベルだった。中学校が出した行きのバスは、早めの出発のおかげでどうにか間に合ったが、高校付近はかなりの大渋滞だった。

それはさておき、私は、かなり緊張していた。初めての受験かつ面接もあったからだ。

面接があるのは、私が応募したのが特進コースであったからだ。なぜそれを選んだのかというと、受験時の点数が上位だと、このコースでは授業費が免除されるからだ。いわゆる奨学生というやつだ。私はそれを狙っていたのだ。

私がこの時、緊張していたのにはもう1つの理由があった。試験当日、高校の玄関に入った特に気づいたのだが、私は上靴を家に忘れていたのだ。

そのため靴下で受験し、面接を受けることになってしまったのである。機転を利かせて高校にスリッパなどを貸してもらったら良かったのだが、この時の私は緊張のあまり、そんな考えは浮かばなかった。

最初は『靴下で受験!?えっ絶対落とされる!!』という風に頭の中がパニック状態だったが、母親にもらった精神安定剤を朝に呑んだこともあって、試験が始まる頃には収まっていた。

そして、幸いなことに私が靴下で受けていることは、試験時には気付かれなかったし、また、面接時には室内で行われたため皆が上靴を脱いでおり、やり過ごすことができたので、事なきを得た。

面接の時は、当時失声症で悩んでいた私だが、今朝呑んだ薬の効果があってか、もしくは、絶対に話さなければならないという極限状態だったためか、はたまた母と何度も面接の練習をしたからか、目線を合わせず、吃りながらではあるが、質問に答えることができた。

その、数日後(滑り止め受験者が多いため結果が出るのも早い)、その結果が出たが、見事合格。さらに狙っていた奨学生にもなれた。

母が、私を監視しなければ、精神安定剤をくれなければ、面接の練習をしてくれなければ、この成功は無し得なかったはずだ。何度も、何度も言ってる気がするが、母には感謝の気持ちでいっぱいである。