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かくということ
俺の考察・改 〜楽しみ、そして話力・人物論〜 一.感情移入の楽しみ

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感情移入とは、物語の主人公、および、登場人物に感情を移入し、怒り、悲しみなどを共有してもらうこと。
それは物語の楽しみの一つ。とてもシンプルだが、奥は深い。

感情移入させやすいジャンルとして、現代物を上げることができるだろう。
そして、まずは現代物のメリット、デメリットを整理してみたいと思う

メリット
1.良く知っている世界なので、深く考えずに物語を作れる。
2.世界観を特に説明することは必要なく、また、特に世界観の違いによる認識の違いを起こらなくできる。

デメリット
1.完璧なまでに現代を舞台にすると、SFや、ファンタジーのようなジャンルが出来ない。
2.ほとんどできるのがラブコメや、学園モノ。会社的なモノは聞いたことが無い。(まぁ、ないなら作ればいいじゃないかという意見は置いておく。

デメリットよりメリットの方が大きいじゃないかと思うかもしれないが、
一番のそれ即ち、多くの人が現代を舞台にするため、マンネリ化になりやすいという欠点でもある。
それを防ぐために、現代という舞台にある程度のトッピングを加える。
メリットをできるだけそがずに、デメリットを減らす。そのためにトッピングを加える。
SFは流石に無理だが、そうすればファンタジーも、ヒーローモノも作れる。
例としてあげるべきは、シャナとハルヒ、あとFate等、様々である。
トッピングはあまり突拍子の無いものでもかまわない。
しかし、それ自体の設定、背景はしっかりと練らなくてはならない。
シャナならば、学生の所に別の力を持った人が押しかけ、自分も人外だという事をおそわり、否応無く巻き込まれる。
ハルヒならば、何となくヒーローみたいな人がいたらいいなと思っていた学生が、妄想を現実にできる他人を屁とも思わない学生と仲良くなってしまったため、否応無く巻き込まれる。
Fateも、めんどくさいので省略するが、否応無く巻き込まれる。
ハルヒのすごいところといえば、背景がしっかりと練られている所であろう。また、人気の原因として、<完璧>が存在しない。ということもあげられると思う。
<完璧>を作り、物語に出してしまうと、そこに現実と幻想の境界を引いてしまうというのは書いたが、それがつまりは、感情移入を阻害する。
別項で述べさせてもらうつもりの、「箱庭観察」的な楽しみには全く関係しないので、そちらでは出してもかまわないが、背景は練ること。
と、最強の完璧について語ると長くなりそうなので、今必要なことは、<完璧>は感情移入を阻害する。という事以外は残念ながら今は割愛させていただく。
<完璧>は本来、世界には存在しない。どんなものでも欠点は必要というのはこの点に由来する。が、感情移入では絶対に出来ないので、脇役程度に留める事をオススメする。


感情移入の場所として、あげられるところを私なりに書き出してみた。
1.仲間の死。(事前にアピールしておく事
2.主人公の危機、及び仲間の危機。(もちろん、ここで助っ人が登場してもいいが、見知らぬ人に助けられるというのは、物語の導入だけにとどめよう
3.選びようの無い選択肢に葛藤する主人公。(感情移入はできるが、後に「さて、どっち選択しようか?」になるので、お勧めできない。
4.日常。(ベターな選択。1番や二番を引き立たせるためにもこれはいい。

と、殆どの部分で感情移入はできる。
しかし、主人公と読み手が重なる時にしか感情移入は出来ない。
通常、本は感情移入と、箱庭観察的な面白さをどちらも持っている。
諦めずに、物語を読み、テクニックを盗み、描くことが大切なのだ。
暇ならば、本を読んで、何所で感情移入できたかをメモしておくといいかも。

       

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