Neetel Inside ニートノベル
表紙

インターネット変態小説家
破壊欲

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思い通りにいかない。
人生に困ってはいないが、それ故いずれ来るであろう困難や問題を解決するための術(すべ)を持っていない。
甘えて生きてきたので、いざ世間に叩き出されるのが怖い。ゆっくりと生きたいと願えど、先導してくれるものはもういない。
誰も信用できない。自分は弱者でその弱い部分を晒け出していきることに慣れていない。結果一人で居るのに安心するが承認欲求だけは人並みにあるので自分からは己を一切見せずに、でも自分の奥の奥まで認めて欲しいと思っている。
暴きに来て欲しいのだ。全人類に。そして俺は取捨選択をして見せられる部分をつぎはぎして公表する。その見せかけの俺を崇めて欲しい。それでいて本心の部分も都合よく理解して欲しい。
神になりたい。

彼女は部屋の隅で縮こまっている。
最近、こちらが暴力を振るうようになったからだ。彼女は俺を見ると笑う。可愛い子にいい意味で笑われたことがないから変な汗が出る。
嫌な思い出はないけどなぁ。どうしようもない記憶は消すに限る。消そうとすると消えないのは欠陥だと思う。でも何も思い出せないのに嫌な気持ちになるのは過去嫌なことがあったけど消してしまったことの表れなのか。消した記憶が簡単に戻らないのも欠陥だ。都合良くあれよ自分の頭くらいよお。

彼女を殴る。いくら陽気な彼女とは言えど暴力には弱く、体を丸めて泣く。ぎゅっとまるまるので顔が見えず表情はわからないが笑ってはないだろう。

しばらく殴っていて気づいたが、彼女は死なない。
バットは中身が空のプラスチック製とはいえ殴れば皮膚が赤く染まり、何度か続くと切れて青くなる。彼女はそういう時泣く。声を殺して、ポロポロとなく。俺が泣き叫ばれるのが嫌いなことを知ってるからだろう。でもその泣き方も嫌いなのでもっと殴る。身体中がボロボロになってもしばらくすると回復する。しばらくというのはおよそ2、3時間か。彼女はそれまで傷の部分を舐めたりさすったりして過ごす。部屋の隅で。
本当に死なれるのも困るので確かめてはいないがこの調子だと死なないだろう。

根拠はもう一つあって、彼女にはご飯を与えてない。俺は食べるけど。当然。

少し前までは果物などを見せて食べたいか?と聞いていた。すると奴は嬉しそうな顔でうなずくので皮だけを与えていた。
がっかりしながらも皮に吸い付く姿は少しだけ可愛いと思っていたがそれにもいずれ飽き今はもう何も与えていない。

彼女が飢えることはない。

ただ、今でも俺が食事を用意してる時、少しそわそわしながらこちらを伺っていることがある。それくらいだ。
彼女はもう俺と会話しなくなっていた。話しかけると俺が殴るからだ。いくらバカでも何度も繰り返すと理解するようで、今では俺から行動を起こさない限り部屋の隅で何かを見つめている。おそらく虚空だろう。

約束では期限は3年だったか。もういいだろう。来て半年も経ってないが引き取ってくれないかなぁ。正直いらないんだよこれ。
もう犯したりもしてない。ていうかそういう肉体的接触は彼女が喜ぶのでレイプにならない。殴りながら犯したとしても一緒だろうなぁ。泣きながらこちらを見て笑いかけてくるだろう。気持ち悪いやつめ。

これも全て両親が死んだことが原因なんだから救えない。
親が死ななければ俺は今何をしてたんだろうか。少なくともコンビニ弁当を食べながら部屋の隅に置いてある何かよくわからない女のことを考えたりはしてないだろうな。
俺は食欲がなくなり、また弁当を捨てることになるのかと思っていたが、ふと惣菜を一つつまみ彼女の方へ投げてみた。
彼女はそれを見た後、自分の方に飛ばした行為が故意であることを確認すると、こちらに媚びるように、なるべく刺激を与えないようおずおずと目線を向け反応を伺う。

少しイラっとしたが我慢し、食べていいぞと告げる。
本当に、かなり嬉しそうな笑顔で「ありがとうございます」と感謝の言葉を述べながら食べ物を拾おうとしたので
まてよ、と。
『手を使わずに食べろ』
と命令する。
彼女は一切迷わず口で床に落ちた惣菜を拾い上げ

「ありがとうございます」

ともう一度感謝の言葉を述べた。
俺は少しだけ、少しだけ楽しくなって
「おい、お前は犬になるんだ。わかるか?このしょうもない雌犬が!」
と聞くと彼女は
「わん!」と鳴いた。
俺はズボンを下ろし
「犬みたいに咥えるんだ手を使わずにな」
と言うと彼女は
「わんわん!」
と吠えこちらに四つ足で歩いてきた。
本当に犬のように舐め回してくる。
まぁまぁ上手いが当然好意が無いので気分は乗らない。しかし、顔だけは可愛い女だ。本当に。それが這いつくばって必死に顔だけを揺らして動物のようにちんぽをしゃぶってる姿はまぁ愉快だった。
しかしそれだけではなかなかイケないので彼女を押さえつけ後ろから犯した。彼女は感度がいいのかはたまた演技か犬のフリはもう出来ずに声を押し殺している。俺は
「泣けよメス犬が!こら!」
と叱ると
「わ!わん!あ!あ!ああ!」
と吠えた。犬じゃねえなこいつはもう。
そのまま中で射精し終えるとなんで俺は犬を犯してるんだ?と思ったしそもそも犬じゃねぇしなんかもう全部嫌になってバットで殴り倒した。
本当に息が切れるほど夢中で殴り続けたのでいつもなら声を押し殺す彼女も我慢できずに泣き叫んでいた。

ふと気がついたのは暴力から逃げようとした彼女がもうピクリとも動けなくなった頃だった。
よく見ると手足が折れており、一体どうやったのかそうなるのか全くわからない。
プラスチック製のバットは割れてクタクタになっていた。もう使えない。
彼女はしばらくそこにいたがやがて定位置の部屋の隅に移動し体を丸めて泣いていた。

俺はもう正気でないのかもしれない。
でも彼女とどちらが正気でないのだろうか。それは誰にもわからないことだろうと思った。

弁当の残りは結局捨てる羽目になった。

       

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Neetsha