Neetel Inside 文芸新都
表紙

脳内麻薬が氾濫したら・・・
シャバだ

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 ああ、出られたんだーと気が付いたのは旦那の運転する車の中だった。ここまで看護師の指示されたように無心で行動している感じで、外に踏み出せるというような喜びや感動は感じることなく出てしまった。
帰れるとは思っておらず、ただ指示に従わなきゃという感覚のままに気付けば、あー出たんだ・・・という感じだ。
  ※ここでいう“気付いた”は記憶喪失を伴ってのものではない。

     

 嬉しいことのはずなのに・・・体の痺れのせいか、なんだかヘンな感じで・・、自分がどこにも存在していないような・・・・何か意識に違和感があった。
 もう、あの病院に戻ることはない。
事態が掴めてくると、皆さんに何のご挨拶もせずに部屋を出てしまったなー…と、なんだか後ろ髪を引かれるような思いが残った。

     

 「お前、顔どうした」運転しながら旦那が助手席の私に聞いてきた。
顔?・・・・・意味がわからなくてボーっとしていた。
「…まぁ、いいや」そのあと車内では何も喋らなくなった。私が覚えていないだけかもしれないが・・・
注射で目覚めて以来、なんだかポワ〜ンとする。ずっと白昼夢のようだ…。

       

表紙

多治見リョー 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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Neetsha