そして小さな塊から次々と口が――涎を垂らしながら出現する。
「その忌々しいアロエ、残さず食べるように」
俺がそう言うと、俺の邪気眼は素直に食いつき始めた。
枝分かれする一本一本を貪りつき、汚くとも構わず食いつき始める。
俺の侵略は、言葉通りの暴食と成って、その意味を実行していた。
「う、ぐぁっ!?」
すると突然、敵の男は苦しそうに胸を押さえると、暫くしてその場にドサリと倒れる。
かなり鬼気迫る感じのアクションだったので、少しビビった。
まさか、死んでないよな?
そう思い、倒れる男を軽く蹴ってみたり、恐る恐る心臓の鼓動などを確認してみる。
どうやら命には別状はないようで、単に気絶しているだけのようだ。
死んでいるワケではなくて、どこか安心した。
未だに敵の邪気眼を捕食する様を横目で見ながら、大きく伸びをすると。
夜の空を見上げ、初めての邪気眼戦が終わったことを感じる。
「To Be Continued……ってな」
こうして最初の一回戦は、俺の勝利に終わった。