Neetel Inside 文芸新都
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LOST WORLD
第2話 クラスメイト

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俺がこの大陸、『アトランティス』に来てから一週間が過ぎた。

学校も始まったのだが、未だに魔法の授業と言えるものをしたことが無い。

家は学校が用意してくれた。いたって普通のワンルームだ。

学校側曰く、「日本の家はこんな感じだろ?」とのことらしいが勘違いもいいとこだ。

何はともあれ、こうして新しい生活にも慣れてきたところだ。

そして今俺は同級生の家にお邪魔している。

同級生の名は武蔵。俺と同じ日本人だが、生まれも育ちもアトランティス。

おまけに彼の家は代々『ナイトマジシャン』の家系だ。

ナイトマジシャンと言うのは、その名の通り剣を扱う魔法使いのことで

いわゆるアトランティスの『侍』だ。

詳しいことは俺もよくは知らないが本人はそのことに誇りを持っている。

また日本の侍に興味があるらしく俺に聞けば何か知っていると思い呼んだわけだ。

だが俺は侍の知識はおろか剣道すらよく分かっていない。

そのことを伝えてもこいつは

「そんなこと言わずに教えてくれよ!な!」

とせがんでくる。正直少しウザい。

しょうがないので少し教えてやるからと言うと、

「じゃあ学校だ!行くぞ!!」

なんていうか、ハイテンション。

そんなわけで学校に行くことになり、外に出て歩き出したら、

「学校まで!競争!!」

なんていうか、ハイテンション。

っていうかアイツ足早えー。

なんて思ってると人とぶつかってしまった。

「す、スイマセン。」

とっさに謝ったが誰もいない。

不思議に思いあたりを見回していると、みぞおちをクリーンヒットするパンチが綺麗に入った。

「昂介さん酷いです!馬鹿にしないでください!!」

声の主は同じクラスの「マシロ」だった。

彼女は学校の中でも一番小さく、そのせいで時々あの新喜劇に出るあの人のような扱いを受ける。

今、俺がナチュラルにそのネタをしてしまったのだ。

俺が謝っても彼女は

「謝っても許さないです!ネタならともかくナチュラルにその反応は酷いです!!」

などと喚いている。

そのとき今度は俺の後頭部にラリアットが入った。

あいつだ。

「遅いぞ昂介!!あまりにも遅いからもと来た道を再び全力疾走してしまったではないか!!」

なんていうか、馬鹿。

だが、この雰囲気や騒がしさ。

その全てが中学の頃の懐かしさを思い出させる。

あの頃もこんな感じで馬鹿やってたよなあ……

思い出をたどると最後に出てきたのはあの時の火事だった。

       

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