No.6/犬と若き狩人たち/ポンチ

 この世界は巨大な飛竜が空を舞い、得体の知れない獣や鳥などが生息する剣と魔法の世界。この世界のとある村では、村人たちがなにやら祭りの準備を始めていた。
「うむ。祭りの準備はもうすぐ完了するのだが、祭りに出すための食料が足りないのだ。ここはひとつ若き狩人に食材を集めてもらうしかあるまい…。」
村長がそう言うと、動物や魔物を狩ることを生業としている狩人たちに呼びかけるため、掲示板に張り紙を張ることにした。

 『祭りのための食材集めに向かってくれる若き狩人よ、力を貸してくれ。狩りに向かう者は村長の家まで来てくれ。定員は四人までとする。――村長。』

 その日の夕方、掲示板の張り紙を見た勇気ある若き狩人たちが、村長の家を訪れる。
「すみません…。食材集めの仕事をするためにここに来たのですが……?」
一人の狩人の言葉が、村長の家にこだまする。その声を聞いた村長は、食材集めの仕事がしたいと言っている狩人の所へと歩き出す。
 「ほう、君が私の依頼を受けてくれるというのかね。狩人である君のすることは、近くの森に行き、動物の肉や山菜などを集めてくることだ。最近近くの森でも凶暴な肉食の魔物が増えていると聞いたのだが、私より戦いの技術を持つ狩人なら心配ないじゃろ……んっ!また新たに若き狩人たちが来たようだな……。」
村長が話しをしている最中に、新たに三人の若き狩人が村長の家に現れた。
 「一人じゃ心細いからな…。俺たちも行かせてくれよっ!!」
村長の家に、四人の若き狩人が出揃った。村長は地面に埋まったキノコを探すための犬を、若き狩人たちに一匹ずつ託された。
「そいつは嗅覚のいい犬だ。そいつがいれば地中に隠れたキノコなどを発見できる。犬の力を借りて祭りに使うための食材をより多く集めてくるのだっ!!」
四人の若き狩人たちは犬を連れ、近くの森へと狩りに出かけた。森に来た四人の若き狩人たちは、手分けして食材集めへと向かう。
 「俺は肉を集めるから、君は犬の力を借りてキノコなどを集めてくれ。また、道に迷ったらこのテレパシー・ストーンを使ってくれ…。みんな、巨大な飛竜が出たら一目散に逃げるんだぞっ!!」
森で遭難しないよう、村長は若き狩人たちにテレパシー・ストーンを手渡されていた。現実世界で言えば電話のような役割を持つ石であった。

 若き狩人たちが近くの森の中に入ってから三十分が経過した。村長から託された犬のおかげで、地中に隠されたキノコや芋類などの食材が手に入った。そのとき鞄の中に入っているテレパシーストーンが光り輝き、若き狩人たちに身の危険を知らせる。
「た…大変だっ!!仲間の一人が巨大な飛竜を見かけたんだ!今から村に戻るぞ。大きな飛竜は獰猛で力が強く、大人でも敵わないという噂だぜ。」
この森に生息する気性の荒い猪とは違い、巨大で凶暴な飛竜が近くの森に降り立ったようだ。どうやら獲物を求めて森に来たようだ。
 「わかった。今すぐ村に戻ろう。俺たちまだ新米だから見つかれば命の保障はないぜ。」
狩人の一人の言葉で、四人の若き狩人たちは森を後にし、村へと戻ることにした。動物の肉を集める係の若き狩人の一人がそう伝えなければ、四人の若き狩人たちは犬もろとも飛竜の餌食になっていたかも知れない。

 村へと戻った若き狩人たちは、さっそく森で採取してきた食材を村長に見せ始める。村長は若き狩人たちに報酬金である300Gを手渡すと、若き狩人たちを解散させる。
「うむ。これほどの量があれば今夜の祭りで村人全員に美味しい料理を食わせてやれるぞ!!勇気ある若き狩人たちよ、本当に助かったぞ…。」
こうして若き狩人たちの甲斐あって、その夜村人たちが待ちに待った祭りが行われた。今宵の祭りは、村人たちの笑顔溢れる盛大なものとなった……。
sage