Neetel Inside 文芸新都
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ふと横を見ると男性の手がビルとビルの隙間からおいでおいでしている。
なんとか一人通れそうな感じだ。
aに違いない。
「助かった!」
俺は路地裏に駆け込む。
途中そのまま車が衝突したため美希たちは足止めを喰らっている。
無事に通り抜けたときは疲れてしまっていたのでへたり込んでしまった。
「はぁはぁ……助かった。さんきゅーa」
「どういたしましてですぁwww」
え?
俺の目の前にいるのは光だ。
さっきの手は?
振り向くとaが壁にもたれかかってうな垂れている。
多分気絶しているんだろうけど……。
「勝負事は常にwww一番でありたいよねぁww」
「あぁ……そうっすか」
諦め様。もうつかれた。
それに光ならあの三人よりずっとマシなはずだし。
「それじゃww捕まえ……ごほっ! ごふっ」
びちゃって音がして俺の顔に何かついた。
多分血だ。
ていうかごふって……。
「ごほっ! ごほっ!」
「だ、大丈夫か!?」
光がいきなり血を吐いた。
俺はどうすればいいのか分からずただ大丈夫かとしかいえなかった。
「さーくん! みーつけた! って、大丈夫それ?」
最初に美希がきて次々と来る。
「ひっ……ち、血が……理さん大丈夫ですか!?」
聖が駆け寄ってきてかわいらしいハンカチで俺の顔についている血をふき取る。
「汚いですからきちんと拭かなきゃ……」
聖の叔父さん(運転手さん)が携帯で電話している。
弟はなんだか迷っている顔だった。何に迷ってんてだか知らんけど。
聖は一生懸命俺についている血をふき取っていた。
美希はなんだかつまらなさそうに見ている。
救急車のサイレンの音が聞こえて、蒼白い顔をした光が緊張した顔をした隊員に担架で運ばれていて、そこから
忘れた。ここまでが俺の三年前までの記憶。
今俺の目の前にいるのは病院のベットに眠ったままの光がいるだけ。
3年間は目を覚ましていない。

今日も此処にきている。多分明日も来るだろう。
光が目を覚ますか、死ぬときまでずっと。
そんなこんなで今日も学校だ。

       

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