魔法陣に触れる直前、さらにユウトの先だけが空洞となる。
(今だ!)
ユウトの本能にも似た声が全身に伝わり、一気に魔法円の中心へと潜り込む。
一方屋根の上でどたりと膝をついたのはスーシィの姿だった。
剪定の眼の維持コストと連続使用した魔法解除(ディスペル)の消費マナはスーシィの大部分を持って行った。
ゴウという音がして、スーシィは目の前が光りに包まれていることを知る。
あれだけ魔法陣の妨害をすれば目標(ヘイト)が移るのも当然だろう。
高速詠唱のたたき台、先行スペルはもう残ってはいない。詠唱は間に合わないと判断し、スーシィは身を屈めた。
――――。