Neetel Inside 文芸新都
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4の使い魔たち
リース

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「ようやく歩けるところまで来たのね」
 アリスの部屋でスーシィは自嘲気味に言った。
「それより納得いかないわ。どうしてあんただけレビテーションでの移動を許可されたのよ」

 いい加減話さないとアリスは歩けないスーシィに何をするかわかったものではないというオーラがにじみ出ている。
「園長にやられたの。としか言いようがないわね」
「は――?」

 あの後、ユウトはアリスを抱えて小瓶を使った。
 すると魔法陣は消え、何事もなかったかのように事なきを得たが、問題はスーシィのほうであった。
 最後の力を使ったのか巨大な光弾とフラムの大魔法がスーシィの目の前でぶつかった。

 その際の風圧に小さい体が災いし、
 スーシィは屋根の上から校舎の裏側へと吹き飛ばされたのだった。
 それでも全身打撲と片足骨折で済んだのは不幸中の幸いだっただろう。

 アリスは魔法陣が出来たときから気を失って、
 今では記憶も朧気なのを良いことにフラム達三人はあの一件をなかったことにしようと決めた。

 だから、詳しいことは捏造(ねつぞう)してアリスに説明してゆく。

       

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