Neetel Inside 文芸新都
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4の使い魔たち
翼竜ハルバト

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 そんな頃、学園の職員会議室では今回のクエストの難易度の設定が適切であったかどうかを話し合っていた。
「では、184項のクエストです。え――、ハルバト退治100ポ――ハルバトだとっ?」
「おい、誰だ。ハルバトなんてふざけたモンスターをクエストに設定したやつは!」
「本来この時期はせいぜいガルゴイルでしょう」

 ざわざわと会議室は慌ただしくなった。
「行った生徒はいるんですか?」
「スーシィ、アリス、カイン、シーナの転送記録があります」
「何故止めなかったのですかっ!」
 いつの間にか事態は責任の押し付け合いとなる。

【静まれぇい!】
 円卓の一番奥から、老人の怒号が響き渡った。
 びりびりとした緊張が一気に駆け巡り、教員たちは皆言葉を失ってしまう。
「このような由々しき一大事、お主らが憶持も無しに進めておったのでは話しにならん」
 老人の一言で教員たちは冷静になる。

「ただでさえ、レレヌ・ビスカから魔法律改正のしわ寄せが来ているこの忙しい時期に……」
「嘆いていても始まりません。
 まずはクエストの設施段階で問題がなかったか確認することと、この生徒三名については早急に救援を出すことです」

 男のメイジが一人立ち上がる。
「ですが、二年の進級試験は命と隣り合わせであって当然の試験。
 危険なのは確かですが、ハルバトを知らないメィンメイジなどあり得ません。
 彼らは自らの意志でこのクエストを選んだのは事実です」

       

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