Neetel Inside ニートノベル
表紙

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「土姫、悪寒がしないか。本当の絶望と言うのは今やって来た」「わかってる。けど、まだ立てない」「立つんだ!気を張れ!」
土姫は分かっていた。絶対防御のウォールが、杖が奪われた今、自分を狙う暗殺者がチャンスになることを…
「ケラケラケラ…私はデス。大空にある機神公国から、やって参りました。ウィガーネ公をご存知で?」
「時代遅れで、一夫多妻政治の、ウィガーネ公の事なら知らないわ」いきなり何かがフレルを殴った!
ブッ飛ばされて意識朦朧のフレルが、ゆっくりと起き上がる。デス「彼を紹介するのを忘れてました。私の相棒のデッドと申します」
フレル「時代遅れとは失敬に値する。絶滅寸前の動物は保護するのが良心」デッドが豹より優れた敏捷性で跳びかかる、
より早く速く宙空に舞うフレル。そいつを狙ってデスが内臓に重いGをかける。地面に引っ張られて、落ちる刹那、Gを解く。
フレルの身体の穴と言う穴から、血みどろの臓物が飛び出る!デス「ジュナ・バーニル・マルク!私たちが欲しいのは金だ」
「ウィガーネへの忠誠心よりもだ」とデスとデッドの間から肩を組んで死体のはずのフレルがこう言った。「やっぱり」
「君等も残りたいんだね」気が狂ったように顔を赤らげ、憤慨した二人は奇声を発した直後、フレルに襲いかかる。
気がつくと辺りは沈静化している。フレル「もう終わりか?じゃあ謎解きをしよう」パチンと指を鳴らすとそこには
デスとデッドの、二人の横たわる姿が。二人の存在はもう世の中から無い。「君達が見てたのは幻覚なんだ。最後の生命力で、
生き残ろうとしていた意志なんだ。僕は君達を弱らせた。ウィークネスっていうんだ。僕がゆっくりと立ち上がる様に見えたろ」
土姫「ハア。何とか立てそうだわ」「僕は君のボディガード。大魔神みたくは、いかないけれどね」

トラップマン「小僧。私に恥をかかせたな。勘に触るやつだ」「土姫。私の出る幕はないな。虚を埋めたのは父では無い、彼だ」

土姫「あなたの名前もっと知りたくなったわ」「今は言えないんだ。ごめん…」さっきの続きで、御飯にしようか。

森の中でこそ、マナが有るのに、夜魔殿の地下なんてラックが落ちてしまう。二人は道の上で路頭にあけてしまった。
打算してこそのウォール奪回だが、あの男を前にすると、そんなことは無駄だと悟らされてしまった。
まず、あの男から杖を取り返すのは不可能だということを、いやと思いさせられた戦いだった。しかしこれ以上、
あの男を放ってしまうと…、どっちみちもがいても仕方ない、だったら少しでいいからトライして、未来の変わる様子を
自分達でこの目に焼き付けようと、話はまとまった。

これから夜魔殿に向かうのだが、土姫のオリジナルスペル、テレポーテイションを使って。その前に旅支度だ。町へ。続く

       

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