Neetel Inside ニートノベル
表紙

リッチ3
リッチ

見開き   最大化      

ある昼下がり「フレル、あなたどこの出身なの。名字を名乗らないなんて、変わってるわね」
「トラウマなんだよ。君こそ、ジュナ・バーニル・マルクなんて、大帝国の皇女なのに、土姫だなんて変わってるよ」
「子供の頃、家出して、ランキドのおじいちゃんに会いに行って、パパもおじいちゃんも手を焼いて」
そう、お転婆なのよ私、冒険がしたくて、旅をして世界が見たくて、土姫なんてニックネーム、烙印されてる
「でも全然平気、むしろ気に入ってる」笑顔の土姫。フレル「ま、いいさ。さてこれから、どうすっかなぁ」
続けて「衣食住でも、問題は食べ物だよなぁ。?」「いいわフレル。食事にしましょう。丁度お腹も空いてたの」

土姫は近くにいる妖精を呼んで「あなた達のマナ、少し分けて下さい」さあフレル。あなたも手を取って

パチパチパチ…突然、拍手と共に一人の男が現れた。「ワタシはアイソス。アルケミスト(錬金術師)まあ、
学者みたいな者です」フレルは金縛りにあった。…土姫「逃げられない!」
「その杖、大魔神ウォールが宿ってますね。一度診させて欲しいのですが」
呆気もなく、奪われた。「ヘエヘエ。…フーン」「アナタの言う事しか聞かないデスネェ」

ジュナ!ジュナ!
「…パパだわ。…なにこれ!…私死んでるの?」違うお前は私の力で守ってる。

フレルがアイソスに攻撃。ミス。「アストラルバディか!いかん!消えてゆく。杖が」
アイソス「モシヨロシケレバ、ワタシは夜魔殿の地下研究室にイマス。暫くこの杖お預かりして、研究します」

「アイソス俺だ。トラップマンだ。娘に手出しは出させんぞ。」「コレハコレハ。困った。アナタの娘は、この世界を
正しく導く。鏡の世界は終わる。セイゼイ娘をセイヴしてオイテクダサイ」ワタシはトラップマンの娘に
手を出すほど間抜けじゃない。「デワ」シュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥという音と共に消える。

「ウォーーーーォォル!」という土姫の絶叫だけが、こだましていた。続く

     

「土姫、悪寒がしないか。本当の絶望と言うのは今やって来た」「わかってる。けど、まだ立てない」「立つんだ!気を張れ!」
土姫は分かっていた。絶対防御のウォールが、杖が奪われた今、自分を狙う暗殺者がチャンスになることを…
「ケラケラケラ…私はデス。大空にある機神公国から、やって参りました。ウィガーネ公をご存知で?」
「時代遅れで、一夫多妻政治の、ウィガーネ公の事なら知らないわ」いきなり何かがフレルを殴った!
ブッ飛ばされて意識朦朧のフレルが、ゆっくりと起き上がる。デス「彼を紹介するのを忘れてました。私の相棒のデッドと申します」
フレル「時代遅れとは失敬に値する。絶滅寸前の動物は保護するのが良心」デッドが豹より優れた敏捷性で跳びかかる、
より早く速く宙空に舞うフレル。そいつを狙ってデスが内臓に重いGをかける。地面に引っ張られて、落ちる刹那、Gを解く。
フレルの身体の穴と言う穴から、血みどろの臓物が飛び出る!デス「ジュナ・バーニル・マルク!私たちが欲しいのは金だ」
「ウィガーネへの忠誠心よりもだ」とデスとデッドの間から肩を組んで死体のはずのフレルがこう言った。「やっぱり」
「君等も残りたいんだね」気が狂ったように顔を赤らげ、憤慨した二人は奇声を発した直後、フレルに襲いかかる。
気がつくと辺りは沈静化している。フレル「もう終わりか?じゃあ謎解きをしよう」パチンと指を鳴らすとそこには
デスとデッドの、二人の横たわる姿が。二人の存在はもう世の中から無い。「君達が見てたのは幻覚なんだ。最後の生命力で、
生き残ろうとしていた意志なんだ。僕は君達を弱らせた。ウィークネスっていうんだ。僕がゆっくりと立ち上がる様に見えたろ」
土姫「ハア。何とか立てそうだわ」「僕は君のボディガード。大魔神みたくは、いかないけれどね」

トラップマン「小僧。私に恥をかかせたな。勘に触るやつだ」「土姫。私の出る幕はないな。虚を埋めたのは父では無い、彼だ」

土姫「あなたの名前もっと知りたくなったわ」「今は言えないんだ。ごめん…」さっきの続きで、御飯にしようか。

森の中でこそ、マナが有るのに、夜魔殿の地下なんてラックが落ちてしまう。二人は道の上で路頭にあけてしまった。
打算してこそのウォール奪回だが、あの男を前にすると、そんなことは無駄だと悟らされてしまった。
まず、あの男から杖を取り返すのは不可能だということを、いやと思いさせられた戦いだった。しかしこれ以上、
あの男を放ってしまうと…、どっちみちもがいても仕方ない、だったら少しでいいからトライして、未来の変わる様子を
自分達でこの目に焼き付けようと、話はまとまった。

これから夜魔殿に向かうのだが、土姫のオリジナルスペル、テレポーテイションを使って。その前に旅支度だ。町へ。続く

     

土姫「トランにあるワールドバザールでアイテムを買いましょう」フレル「そうだな。武器や防具の類は必要ない」
「じゃあ、スキップするわね。テレポーテイション!」土姫達は、飛龍大国トラン・グルシアンのトラン領にあるワールドバザールに
ここから空中に舞い時間跳躍した。ワールドバザールと言えば、世界一の流通街で、金で買えるものは、すべて手に入る。

「着いたわ。後は私に任せて!まず会計所で購入リストを書いて、支払い。後は品物取引所で、受け取るだけ」
まず賢者の魔術書。そしてマナの木の実の蒸留酒。「フレル、何か要る」「錬金術に対抗するために最高万能薬が要る」
「そうだ!」二人が同時に言った。「召喚獣!」フレル「力じゃだめだ。天使系の一番値の張る奴」「じゃあ後は、エリクサーと
聖水2つずつね!これは会計所にあるわ」「どうするんだ」「まぜて飲むと、死んだ時、自己再生になるの」会計です。しめて…
「ハイ。トラップマン・ゼル・マルクのカードで」ありがとうございました!二人はエリクサーと聖水を混ぜて飲みほした。

品物が揃うまで時間があったので、街を散策する事にした。

通りをぬけて、公園の方へ足を進めている。暫くすると、ギターを抱える歌人と傍らに詩人と思しき黒衣の人が書を開いている。
ピィーンと空間が暗転する。闇の中に四人が存在する。歌人はギターを弾きながら歌いだす「俺は龍。龍と書いてロン。ロン・イージィー」
黒衣の人「私はラファー。ラファー・ベイズ。これは聖典」空間を中和する様に音楽が流れている。「俺達は父も母もいない。
俺達は分身体でしかない。戦うために生まれてきて存在する。今、この場所ですら、惑星に自由を奪われていると感じる。」
「私達四人は、惹かれあっている。元は火炎。元は壱。惑星が呼んでいる。融合と分裂。繰り返す。愛は太陽。夜は文明。
多くの生物は冬を越して、命を紡いでゆく」土姫「鏡の中に住む猛獣。私を創造した太狼。一匹君主。でも貴族出身の壱」
フレル「龍。お前の歌が聞きたい」ロン「俺の武器、ナイフで貴様に切りかかる」「左」「右」「防御した」「青い!
回転して旋回」「かすった。…この程度か」「猛毒」「ペインをウィークネス」「俺の毒に耐性が存在した?」「ボディブロウ」
「砕けない」「ウィークネスが通用しないのか…」「イーブン」「この空間か?」土姫「ロン・イージィー、何者なの?」
ラファー「この空間に支配されない、ゼル・マルク大帝国の皇女は二人存在する様ね」「正解。今、帝国では黒姫が動いてる」
ロン「まだ逢うには、早かったか。またな、ジュナ・バーニル・マルク」「誘惑の歌、聞かせてよ」「お前より百倍、好い女がいる」
「なにそれ?誰よ!」ラファー「私が女だとしたら?」「そんなこと!」ジャカジャーン。「終わりだ。土姫」「フレルまで、
なによ!」空間が元の公園に。ロン達が去っていく。ショックを隠しきれない土姫は唯、呆然と品物取引所へ向かい、夜魔殿にテレポーテイションした。
フレルはちょっと、顔が青白くなっていた。続く。

     

夜魔殿に着くと、ゴゴゴゴゴと言う音と共に、男を興奮させるセクシーで甘美なフェロモンが漂う。そして扉が開く。
「ちょっと正気じゃ、居られないな」無数の妖魔の存在が集中する。「夜魔王ダーキュラーに謁見に参りました」と土姫。

夜魔王ダーキュラー「アイソスから話は聞いてる。小僧、そいつはルキュの剣だな」「切り札です」「相手はアイソスだぞ」
「帯刀してるだけで、誘惑に勝るんです」「父の名は?」「妖魔達のBOSSだと聞いて、います」「大きくなったな…」

地下迷宮アイソスラビリンスへようこそ!と書かれた入り口がある。入ると、いきなり、アイソスの研究室は→、と画かれている。
他に2つ道がある。フレルはその2つにコインを落とす。片方はドグシャと罠が発動した。もう1つは反応が無いのでコインを回収に
慎重に足を進める。と、土姫が気づく「この道は入り口よ」「もう後には退けないか。どちらにしても→このとおり進んでみよう」
どんどん進む。どんどん進む。まるでこの地下迷宮の最短距離だ。秘密の抜け道みたいな階段を、頭がおかしくなるくらい下る。
扉だ。迷わず開ける。と、地下に小規模の集落がある。「迷宮ギルド」と子供の声がする。「僕はこの村の長老なんだ」「大人はどうした」
「だ・か・ら・僕が長老なんだって」辺りを見回すと、腐乱死体の山がある。そこに、墓標とでも表現したらいいのか、
小さな白旗が建っている。「なぜだ!」とフレルが錯乱する。土姫「僕、訳を話してくれる?」と優しく微笑む。
「美人のお姉さん。あっちへ行けば分かるよ」「そう。ありがとう」「ヘヘへへヘヘへッ」向かった先には、巨大な洞穴があり。
遥か向こうに、進む道がある。ご丁寧に見えない床のコースが示してある。土姫は「フレル。テレポーテイションでスキップするわよ」
向こう岸まで跳んだ。暫く進むと、人型をした謎の物体が居た。「私はこの先にある扉を守る者」何を思ったか、
フレルが、彼のテリトリーに入った。途端に人型から大きなドラゴンに姿が変わる。フレルは意外と冷静に猛攻を避けている。
が、ドラゴンの鼻から煙が漂うと、テリトリーから出た。すると、また人型に戻った。「土姫。奴がファイアーブレスを吐く間、
囮になってくれ。」「勝算?」「まあね」二人で向かう!ドラゴンの鼻から煙が漂う…土姫がスキップした。その時、フレルが、
ドラゴンの、のど笛を剣で突いた。バアン!と、化学物質が暴発して、ドラゴンはのたうち回る。「今だ!」二人は両サイドから
駆け込んで、テリトリーから先に進んだ。と、八つの扉がある。一番左に1つだけ錠がある。また例のごとく、どれでもお好きな道をどうぞ
と、画かれている。二人は迷ったが、判らない。と、これまでを振り返ってみて、正しかったかさえ定かだ。「しかし、長いよなあ」
「ええ。どちらでも、同じ事なんじゃない」時間の感覚が麻痺してから、どれ位、歩いたか「振り返ると、全然進んでないよ」
「でも、歩いてるし」「おかしいなあ」「さっきから」「ちょうっと、待てよ」「もしかして」「気づいてる?」「それ以外考えられない」
「それ以外考えられないな」と二人は、動いているのは床だと認識した。「奴の考えそうな手だ」フレルは、その床に剣を突き立てた。
そこから遠ざかる様にジャンプして、クリアした。すると、アイソスの研究室と画かれた扉がある。二人は思わず、立ちすくんでしまった。続く。

     

「さあ、どうぞ」とアイソスの声がする。二人はドアを開く。「まあ。お茶でも一杯どうぞ」と二人にお茶を出す。
「よく辿り着けましたね。」土姫は、この男に、まったく警戒していない。まるで、面白い先生か、マジシャン位の気構えだ。
と、フレルが、あのアイソスに、質問を切り出した。「八つの道で、防衛本能か直感か疑ったが、一番右を選んだ。」
アイソス「ええ。どれでも仕掛けは一緒です。」「錠前の扉の鍵は、ドラゴンの腹の中です。出口にも錠前が在って、
ここからの話は秘密ですよ~。実は、ここへ着く扉の錠前は、鍵が無くても開くんです」話が和んだ。と、土姫が冷静になった。
「あの森の道で、アナタに会えばウォール(杖)は、返してもらえる。そう、言ったわよね」アイソス「ええ。研究は
終っています。ただ!、条件付ですっ!。フレルと別れるか、フレルを消すか。」フレル「…俺は、バトルを望む。殺し合い
じゃないっ!、勝負だ。」「じゃあ。どうぞ」フ……れ……・・・あ!あ!あ!、最初にお茶を飲んだ時点でか?これは
催眠だ!強力な眠気が来る!全ては、奴の術中だ。ラビリンスに入った時から!森で自分の事をしゃべってる時から!
計画性なんて有って無い様な物だった。・・・……
アイソス「ウィークネス、素晴らしい才能だ。土姫はもう瞑夢を見る睡眠レベルだ。この密室の暖炉(エターナルフレイム)の
換気口を塞いだ!」「じゃあ僕はラボに戻るとするよ。一酸化炭素中毒死にはなりたくないからね」………、………、………、
フレル「死ぬって感覚こんな、風、全身がフル活動してるよ、チッ夢か!死ぬのか…」「!」ガバッ!「スリープをウィークネス、
この力は自己再生、」フレルは自分が活動できる程度に、ウィークネスで自らを仮死化。そして召喚獣のカードを切った!
「女神パールバティー召喚」フレルの居る空間の活動が止まった!フレルは土姫に最高万能薬を使った。土姫は催眠から目覚め
自己再生した!すると無意識に賢者の魔術書が発動した。「ランキドのお爺ちゃんだわ!」と言ってる間に、地上から
ラビリンスのこの部屋まで膨大な風が衝撃波となって吹き込んだ!「フルコウィンドね」「水中で息を止めてるみたいだった」
「おおっとっとっとっ。私の部屋がぁぁ」アイソスが戻ってきた。「わかりました。杖を返す代わりにフレルを研究材料に
お借りさせて…消すなんてのは脅しですよ」フレル「自分が研究の材料にされる。拷問と同じだろ。理由は知ってる。」
「土姫」「フレル…」「君を地上に帰すのを最優先させるよ。」「ベストね」「ハハハハッ。最高の性格ッ」「お別れなんだぜ?」
「来世では2度と失敗しないようにッ!」「敬礼」ウィークネスで土姫を立てない様にして、おでこにキスをした。そのまま、
土姫はマナの木の実の蒸留酒をクイッと飲んだ。やがて体の組織中がマナに変化し、自然あふれる地上へ、光を求めて加速
する様に、物質を通り抜けて去って行った。「さあ!始めるか!俺の名は、フレル=バビロン!。」「我が名は、(古語)
ア・イス・ソス・ヒル=ウィリア」「私のラボへどうぞ、禁断の子」「こッ!ここはッ!なんだ!ジュエルッ!」「そうです
錬金術は金は不可でも宝石は生めるのです。ここに私と同じ存在が7体守られています。必要に応じて彼等を使います。
現実は緊急に備えて封印してあるのです。暴走もあるかも……そろそろ…「その男もワタシのダミーです。」…ねっ。終わり

     

この世界では以下のように仮定する。

マナ=人間を植物の光合成で栄養を満たす。その橋渡し的なもの。
アストラルバディ=立体映像が実体的アクションを起こす、本人は移動していない。
絶対防御のウォール=杖を持つ者の完璧なバリアになる。大魔神を超える力には敗れる。形状は杖の先に目玉一つ。
機神公国=遥か大海の空に浮かぶ、機械文明の公国。ウィガーネはトラップマンの家来。土姫は生まれた時から狙われる。
時間跳躍=空中(障害物の無い状態)で時間をとばす(惑星の自転)その間、空中をスキップして目的地まで正確に辿り着く。
ペインをウィークネス=、ペイン=痛み。痛みの元となる毒素成分を弱体化する。
エターナルフレイム=アイソス(管理者)以外では、消すことが出来ない炎。
スリープをウィークネス=レム、ノンレムのふり幅を直線に近づける。
自己再生=死から再生する為、全てのエネルギーを高めその後下り坂の様に元に戻る。副作用も計算に入れている。
     それでも死ぬ場合、自己再生後に死亡。

       

表紙

88 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha