Neetel Inside 文芸新都
表紙

見開き   最大化      

俺に両親はいない。
三年位前に交通事故で二人とも死んだ。
その頃はまだ俺もヒッキーじゃなかったんだけどね。
まぁ要は俺と妹を残して死んだと。
両親、特に父親が残した莫大な遺産のおかげで俺は今もこうして引きこもりが出来ている。
50億だのどうだのという数字らしいがよくは知らない。
叔父さんが親切心から俺たちを引き取ってくれるといっていたが何故か妹は断固拒否。
親の金目当てとでも思ったのだろうか? まぁそんなことはどうでもいいけれど。
仕方ないので叔父さんも諦めてしまい、遂に俺と妹だけの生活が始まったのだ。
その際に妹は手を叩いて大喜びした。
本当に手を叩いていた。ただの馬鹿だと思う。
少なくとも月一回は叔父さんが顔を出すのだが、その日は妹は途端不機嫌になるのだ。
何でそんなに叔父さんが嫌いなのかは知らない。
つーかどうでもいい。
しかし、あれだ。
なんでこんな事を言ってるかというとだ。
脈絡がないようだが、言おう。
妹が俺のベットに潜り込んでいるんだ。
ああ、別に性的な行為はしていないから安心していい。
近親相姦なんて洒落にならんからな。
妹が俺のベットに潜り込んでいるなんてのは日常茶飯事なので今更なんだけれど。
ちなみにうちは基本質素倹約な生活を送っている。
妹が何故か知らんが金を使いたがらないのだ。
で、一人より二人の方が暖かいという理論を振りかざして俺のベットに潜り込んでいるのだ。
っと脱線した。いつも通りなのだが、今日は少し違ったのだ。
妹に抱き枕にされているというところか。
どんなに頑張っても抜け出せない。
相手は女だぞ? なのにだ。
長い事引きこもりしていたから筋力がこれほどまでに落ちたのだろうか。
昔は剣道やったんだけどなぁ。
いい加減おきて欲しい。
「起きろこの野郎」
辛うじて動いた右手で妹の額にでこぴんをかました。

       

表紙
Tweet

Neetsha