G→???
「なんだよ、Gの???って」
「それは私にも調べがつかなかった。もしかしたらそこにはタクヤ自身が入るのやもしれん」
「このAからFは具体的に能力者の特徴を書いたものなんでしょうか」
「そう、読んで字の如くだけど、彼らはそれらに絶対的な干渉をし、
この世界を直に影響させるイレギュラー中のイレギュラー。
7つのバグだと思ってほしい」
「あ、もしかしてこの死の創造ってネストのあいつが使った奴じゃないの」
結衣が指を指して言った。よく考えてみるとそうだ。一瞬で辺りを無に還すその力は死の『創造』ではないか?
「ほう、もうそのうちの一人と遭っていたのか。よく生きていられたな」
「こいつの創造はまさに創造でしかなかったんだ。死というか、無の創造だな」
タクヤたちは自分たちの身に起こったことを振り返って説明した。
「なるほど、それなら納得がいく。
しかし、そいつは厄介だな。
対峙しただけで戦闘にならないんじゃ勝ち目などない」
「……」
だからこそ、タクヤは何かを手に入れたはずだった。
でも、それが思い出せない。
「追い打ちをかけるようだがタクヤ、
今お前がやろうとしている美少女孕ま○計画は彼女らにバレているようなんだ」
亜夕花はモニターの画面を変えて御剣市の一部が映し出した。
そこには美少女たちがごまんと集まり、ある人物の統率下において演説を繰り広げていた。
『――我々を脅かす男がこの街にいる。我々を玩具のように弄び、自らの性欲のために奴隷とする男がいるのだ』
「なんだこれ」
俺はもう何かの冗談にしか聞こえなかった。
まあ、事実もあるが。
「こいつらはもう組織化していてな。十二万の数を従える組織らしい」
「デタラメだ……」
「リンクポトン社を覚えているかね?
あそこはもう既に二十万の支持率を得た、間接的な連合軍になっているぞ」
「そんなのとどう渡り合うんだよ……それどころか、もう街には出られないんじゃないか」
「ふふふ、そのために私がやってきたんだろう」
亜夕花は微妙な胸を一杯に張って言った。
「ところで、ここにいる二人は仲間か?」
タクヤに問われたその二人はナミと結衣をさしていた。
「ナミは俺の眷属だけど……結衣は――」
「当然、私も行くわよ」