Neetel Inside ニートノベル
表紙

〜Pandora Box〜
不純なことはありません

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 夜。今日もボクはここへ来ていた。そう、図書室だ。
 別に眠れないとか悪い夢をみたら嫌だとかじゃない。だって遊園地にいった後だ。ボクも疲れているに決まっている。
 でも気になった。あの本が。
 
 ガラガラ

「やぁ。今日もきたのか? キミは暇なんだね」
 いた。あの人だ。
「こんばんは。先輩こそダメじゃないんですか? 一応生徒会長でしょ?」
 そういいながらボクが向かった先は絵本がおいてある場所。そこに手にしたものは『おねえちゃんがくれたもの』だった。
「一応とは失礼だぞ。愁夜はいつだって皮肉を込めるな」
 また一ページめくる。
「質問なんですが、なんで先輩はボクの本当の苗字を知っているんですか?」
「そりゃあ、一応私も生徒会長だ。全校生徒の名前くらい知っているさ」
 まるで暗記は大得意といわんばかりに胸を張った。
「そうなんですか」
 そっけない返事に少しむくれた生徒会長を尻目にボクは静かに読書を始めた。

       

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