Neetel Inside ニートノベル
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花見の場所に行くと、そこには、浅田と、中嶋がいた。
「おせーんだよ、あんまり遅いから、俺もう食ってるぞ」
「まだ予定の5分前だろ」
「基本、10分前行動だろーが」
なんか蹴り飛ばしたくなってきた。
「沢辺、浅田って酷いんだよ!この人、沢辺の分まで食べたんだよ!
せっかく私のお母さんが作ってくれたのに」
中嶋が告白した事実に、俺の心はさらに煮えたぎった。
「いや、違うんだって、だって、こうして見てると、我慢できねーんだよ。
お前もぜんぜん来ないしさ、あ、またやっちまった」
そう言って「俺の分」とされている弁当に箸をつけた瞬間、
カッとなった。
「あっ、てめっ何やってんだ、それ俺の」
「仕返しに決まってんだろが」
「おい、それ俺まだ一個も食ってな……おい!なんで中嶋までやってんだ!ふざけろよお前ら!」
「間違いから、せいぜい学習してくれよ」
「何言ってんだ!俺が間違い……ごめん、もう弁当横取りしねーから、やめろって――
だからなんで中嶋おまえ、こら、やめろって言ってるだろが!」
直後、弁当の横取り合戦が勃発、
箸の大乱闘に発展し、
気付けば、弁当のほとんどが地面に散らばっていた。
妙な空腹感に襲われる中、
『……気づいたときには、いつも遅すぎるんだ』
南の言葉が、聞こえたような気がした。

       

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