Neetel Inside 文芸新都
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口先々
サメ(2)

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 サメの手口はシンプルでいて尚且つ狡猾だった。
これから話すのは今の奴が行っている手口。
一人で歩いている女をボディブローで気絶させ、人気の無い所に行って縛り口を布で塞いで犯す。
犯している途中に目が覚めるので、「騒いだらん殺す。いいか?」と極めて無感情に腰を振りながら言う。そしてパニックになって騒げばもう一回ボディブローをし、「騒いだら殺すから。いいか?」と極めて無感情に腰を振りながら言う。そしてパニックになって騒げばもう一回ボディブローをし、「騒いだらん殺す。いいか?」と極めて無感情に腰を振りながら言う。そしてパニックになって騒げばもう一回ボディブローをし、「騒いだら殺すから。いいか?」と極めて無感情に腰を振りながら言う。そしてパニックになって騒げばもう一回ボディブローをし、「騒いだらん殺す。いいか?」と極めて無感情に腰を振りながら言う。そしてパニックになって騒げばもう一回ボディブローをし、「騒いだらん殺す。いいか?」と極めて無感情に腰を振りながら言う。万が一死んだらバックに入れて下区まで行って死体を豚に食わせ、持ち物を換金する。

 犯し終わった後に「俺がしろと言った事じゃないん事をしたら殴るから。いいか?いくないか?首を振って答えていい」と静かに告げる。
190cmもあり、全身に奇妙な刺青をした男にそんな事を言われれば発狂していない限り女は首を縦に振るしかない。
騒いだらもう一度ボディブローを入れて犯す。
そしてサメは荷物から人間の頭蓋骨、折れた歯をぎっしり入れたペットボトル、顔を血だらけにしてシェーやコマネチのポーズをさせられている女のポラロイド写真、陰茎を切り取られ、その陰茎を自分で咥えながら阿呆のようなポーズを取らされている男のポラロイド写真、輪ゴムで束ねた免許証等を、目を逸らす事は許可せずにゆっくりと事務的に順々に見せる。
そして、犯されまくってぐったりとして恐怖で歯をがちがちと鳴らしている女にこう告げるのだ。
「俺は人を結構殺しているけどん、何人殺したかは憶えてないけどん、これからも殺さなきゃいけんくなったらお前も殺すん。で、俺はお前にお家とメシと金を用意させるつもりでいるん。それが嫌だったらここで殺すし、お前がお家とかをやってくれたら3ヶ月で他の所に行くからお前は俺の事忘れて暮らせば殺さない。他の人に言ったら俺はお前の大切な人間をお前の前で殺してお前の前で犯してからお前を今までやってきたみたいな感じに絶対に殺すし、お前は死ぬし、俺はお前を絶対に殺すん。で・・・・・・今死ぬ?」

 勿論女はその場で首を縦に振るしかない。
この一連の流れを俺が知っているって事は誰か被害に遭った女が口を滑らしたに他ならないんだけど、その女は確実に死んでいるんだろうな、いや、死んでいるんだろうなとかではなく、何と言うか死んでて当たり前というような・・・・・・。
この手口の凄さは頭の悪い子が聞いても「うわ、やべー。マジでハンパねえ」とわかるだろうし、俺のように頭がキレる男が聞けばその異常性と無駄の無さ狡猾さがわかるのだ。
まず、ボディブローで気絶させて縛って口に物を詰めて犯す事で、叫ばれたり噛まれたり金玉を蹴られたりする事を防ぐ。
そして何故徹底的に犯すかと言うとmサメの性欲がハンパじゃないってのもあるけどレイプは相手を生命の危機に晒さずに気力と体力を奪うベストな方法であり、ヤクザやマフィアや軍人が自分やその部下の息抜きと同時に尋問をスムーズに行う為によく行われる。
で、騒いだらヤバいと納得させる際の無感情な喋り方やボディブローの繰り返しも、「この男は本当にやばい」と相手に悟らせる。
そして、相手の限界になるまで段階を踏めるし、万が一死んでも金に換える事ができる。
その後に淡々と事務的に自分の暴力や殺人の記念品を見せる事により、サメにとっての殺人や暴力は日常生活で虫歯にならないように歯を磨く程度の事であり、更にそれをする事を好み、更にそれを記念品として持ち歩く異常性を相手に悟らせる。
ああ、もうこう云う説明をしているだけで怖くなってきたんだけど・・・・ううう・・・・。

 だが俺はできる男なのできちんと続ける。
で、その後の文句でも自分が殺人を極めてナチュラルに、ナチュラリーに行う事を示し、テンパってる状態の相手にも理解できるように、住む場所、金、食事のみのシンプルな要求を提示、そして一生とか死ぬまでとかそういう答えが出てきそうな口から、3ヶ月という実際には長いんだけれど現実的で終わりの見える期間を提示されれば、「3ヶ月耐えれば平気なんだな」と光を見出したような感覚を与えるのだ。
実際にはレイプをした上に地獄のような3ヶ月を提示というハンパない闇を提示されてるのに、先に思いっきりディープな、ディーパーな闇を提示されているので3ヶ月先の自由ってうかこの男が居ないって状態が差し込んだ光に感じてしまうのだ。
この3ヶ月というのはサメが本能的に算出した女が無茶をしないで泣く泣く我慢をする期間で、勿論女は毎日徹底的に犯されたり風俗で働かされたり貯金を全部奪われたりするので人生を狂わされてしまうのだが、サメは3ヶ月という提示した期間を守る事を普段から常に繰り返し告げるので自由の身になった後の事だけを考えて必死に耐える。
そして3ヶ月経過すればサメは出て行くが、この時に礼を言ったりはせずに事務的に、約束通り提示した期間が来たから出て行く、そして口外した場合も約束通りに絶対に殺すと告げる。
で、最後の一押しに、「今までこの約束を破った女は一人だけだけどん、これがそいつだからんね」と頭蓋骨を見せる。
いつからこのやり方になったのかは知らないが、恐らく最初の女が4ヶ月とか次の女が5ヶ月とかで発狂したり自殺したり逃亡を図ったりしてなんとなく3ヶ月で定着したんだと思う。
サメは快楽主義の犯罪者のように感情に任せて約束を破ったりヘマをする事が無く、自分の決めた約束や定石やルールに則って行動するので失敗が少なく同じ失敗をしない。そして肉体的にも精神的にも強靭なので、最初の失敗で殺されたり捕まる事が無い厄介な人間なのだ。

 俺は自分のメンタルコンディションを整える為にきちんとこの説明をした。
だが俺はサメの恐ろしさを再認識してしまい、その異常性暴力性の体現者に自分が狙われているという事の現実味を胸いっぱいに感じてしまっているのではっきり言ってこんな確認をしなきゃよかったとも思ってる。
だが、現実逃避的に「俺みたいな善人がそんな阿呆に狙われるなんて嘘だぜ。キャバ嬢なんてのは嘘とか噂話が大好きで、金と酒と自分が男にちやほやされる事しか考えてないノータリンだぜ。スターリンだぜ」なんて考えてのほほんと構えてたら、本当に狙われていた時に殺されちゃうので。
殺されちゃうので・・・・。殺されちゃうので・・・・うわあ。殺されちゃう可能性があるって理解しなきゃいけないけど理解したくねえよ。
俺の頭脳は「理解するべき」って理解してんのに、ココロが、ココロがそれを全力でいやいやしている。のを俺は理解できているだけきっとマシなんだ。
マシだって思い込んだ方が得。そもそもこんな状態にならないのがベストなんだけどね・・・・。
逃げちゃ駄目だよね。逃げたいけど。

 俺はサバ味噌の上の熱でしなびた三つ葉を見ながら頭を整理していた。
お局はそんな俺を心底気の毒そうに見つめている。
止めろ、そんな目で見るんじゃない。
矢場いのはわかってんだ。それを後押しすんじゃねえよこの馬鹿尼が。

     


       

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Neetsha