Neetel Inside ニートノベル
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 ――魔法というのは、大きく分けて二種類に分けられる。
 一つは『一般魔法』、もう一つは『司る力の魔法』だ。
 前者は、訓練さえすれば多くの人が使えるようになるものだ(もちろん魔力の量によって強さだとかは変わる)。魔力球による魔法攻撃はもちろんのこと、その他にも治癒魔法だとか転移系魔法だとか、召喚魔法だとか、とにかく色々なものに派生されているのがこれだ。メイラ=シュライナの言う、“普通の魔法が使えない”というのはまさにこれなのだが、それでも別に全てが全て使えないのではない。なぜなら、後者の『司る力の魔法』を扱える魔法使いは、最も初歩である魔力球による攻撃などは既にマスターしているのが前提であるからだ。だから、彼女の言う言葉の真意とは、相性などが関係してくる治癒魔法だとか、そういうことに限られているものだ。一般魔法の説明はこれぐらいで十分だ。
 後者の、『司る力の魔法』(一般に魔法と区別して、『司力(かさがら)』と呼ばれる)。こちらは、人それぞれで扱える魔法の属性が変わる(一般魔法とはまた別物であり、その属性というのは生まれた時から決まっている)。こちらの魔法の特徴は、何と言っても“物理的なダメージがある”ということだろう。
 一般魔法というのは、あくまで魔力を直接ぶつけたりだとかして相手の魔力にダメージを与え、それによって相手を昏倒させたりするのが目的の攻撃方法だ。いくら強い攻撃を放ったところで、一般魔法で相手を殺すということはない。それに対して魔術は、魔力を実際にある物質や、ある性質だとかに変質させて攻撃するというもので、つまりは物理的に干渉できる。例えば、炎に変換したならばそれは本当に炎であるし、時に干渉するならば本当に時に干渉できるし、極端に言うなら死を司るなら人を殺すことも一瞬かもしれない。割合としては『物質変換系』が大多数で、時たまそれ以外の(時だとか死だとか、そういう認知しにくいもの)人もいる。
 なお、かつての『神魔戦争』における『魔王』は『全』属性を操り、最強の司力師と呼ばれ(魔法使いとも呼ばれる)ていたものの、全ての属性を操る事ができるなどというのはそれが最初で最後と言われていて、つまりはそちらが例外であったといえる――。


 <『これであなたも禁術使い!魔法初歩編』メイラ(16)チュートリアル>より

       

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