Neetel Inside ニートノベル
表紙

マジカルお姉さん
初めての敗北?

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 コスチュームの準備はオーケー。
 更に可愛い相棒も用意は出来た。後は……
「小夜子ちゃん。行くわよ!」
 後は、変態を始末して可愛い幼女に感謝されるだけね♪
「はぁ……面倒」
 ふふ……っ♪ 今日はどんな幼女に会えるのかしら?


「え……何この人?」
 意気込んで幼女探しをしていた私達の目の前に現れたのは変な女の人。 
 何が変かというと、幼女を見て鼻息を荒くしてるんだけど……もしかして、この人変態?
 う、嘘でしょ? 変態って言ったら普通は気持ち悪いおっさんなのが相場なのに、目の前のこの人は
正直女の私から見ても美人の部類に入るのに、変態だっていうの?
 いや、待って。まだこの人が変態と決まったわけじゃないわね。
 もう少し観察をしないといけないわね。

『ねぇ、お嬢ちゃん。よかったらお姉さんと一緒に遊ばないかしら?』
『え、でも……』
『お嬢ちゃんの欲しい玩具。何でも買ってあげるわよ』
『え……い、いいの?』
『もちろん。お姉さんは可愛い娘には優しいんだから♪』

 あー。この人完全に変態だわ。ロリコンだわ。
 否定出来る要素がまったくといっていいほど無いわね。
 少しだけ意外だったけど、相手が変態ならしかたない。マジカルお姉さんとしてあの人をフルボッコしよう。
「行くよ小夜子ちゃん。こういうのは初めが肝心なんだからね」
「あーはいはい。わかったわよ」
 マジカルお姉さん。いざ出動!

「そこの変態! 幼女に悪さをするのなら、このマジカルお姉さんが許さないぞ!」
「…………らしいわよ」
 スババーン! とカッコよく登場する私達。
 正義のヒーローもビックリな登場の仕方。
 今までこんな登場をするヒーローはいただろうか? 否、いるはずがない。
 時代の最先端をいきすぎた登場の仕方。それは歩いての登場。
 傍目に見たら情けないかもしれないけど、その場に居ればきっとあまりの斬新な登場に腰を抜かすだろう。
 そんなわけで、変態さんと幼女がポカーンとした表情をしている。
 来たわね。今二人共私に恋をしたのかもしれないわ。
「気持ち悪い事考えないで、早く自分のやる事をやりなさい」
「…………はい」
 うぅ……小夜子ちゃん、少し厳しすぎないかな? もう少し余韻に浸ってもよかったと思うんだけどな。
「早くして。わたしは仕事を終わらせて家に帰りたいのよ」
 そこまで私と一緒に居るのが嫌なのかな? お姉さん少し泣きたいわ。
 でもまぁ、ここで小夜子ちゃんに愛想をつかされるわけにはいかないので真面目に行きましょう。
「そこの変態女。か弱い幼女から離れなさい」
「……あんた誰? てか、その格好なんなの?」
「な、何って――」
 魔法少女的な素敵衣装じゃない。そんなの見たら誰でも理解できるでしょ。
「不審者なの? 不審者なら警察に電話するけど」
「ふ、不審者じゃないわよ!」
 第三者の人間が見たら、私の方が不審者に見えるかもしれないけど、それでも私は不審者じゃない。
「そうね。あんたは不審者じゃなくて、ただの変態だものね」
「な――――っ!?」
 わ、私が変態ですって!? 小夜子ちゃんは一体何を言っているのだろうか? 私はただ普通に可愛い
幼女が好きなだけであって、変態とは違うんだけどな。
「やっぱり警察に電話するべきかしら?」
「それだけは止めて!」
 マジでそれだけは勘弁して下さい。
「あんたの仕事って…………」
 あぅあぅ、小夜子ちゃんが思いっきり呆れてるよ。どうしてこんな事になった?
 これも全ては――

「そういう、あんたこそ何者なのよ? 幼女に声をかけるなんて普通の人がする事じゃないわ!」
「私はただの通りすがりAよ。この娘に声をかけたのは、私の嫁にするために決まってるじゃない」
「な、なな……っ」
 よ、幼女を嫁にするなんて、なんて羨ま……いや、なんて酷い事を。
「この娘を嫁にすれば我が組織の士気を大いにあがるでしょうしね」
「組織……?」
 何、この人変態の組織でも作ってるっていうの?
 そして、そこにあの幼女を連れて行くですって!? そんな事になれば、あの幼女は変態共の
慰み物になって――
「あ、あんた最低だわ!」
「? 何を勘違いしてるのかしら? この娘を他の人間に触らせるわけがないでしょ。
 この娘は私が責任を持って可愛がるのよ。色々とね……」
 こ、この女は…………
 幼女は愛でるものだというのに、その境界線を軽く超えようとしているなんて、
「あんたを倒す」
 この女は最低だ。幼女を愛でる資格の無い人間だ。
「残念ながら、それは無理ね」
「え……?」
 女は何か不思議な玉を出すと、地面に叩きつけた。
「こ、これは――っ!?」
 け、煙だまじゃない。何でこんな物を携帯してるのよ。

 煙が晴れるとそこには――
「いなくなってる」
 あの変態も、そしてあの幼女もいなくなっていた。
「う、嘘でしょ……?」
 に、逃げられた? 幼女を守る事が出来なかった? そ、そんな――
「メグミ。帰るわよ」
「…………」
「落ち込むんじゃないわよ気持ち悪いから。そんなに悔しいなら次を頑張りなさい」
「さ、小夜子ちゃん……」
 そ、そうだよね。ここで落ち込んでいる場合じゃないよね。とにかく反省するのは後でいい。
 今はとにかく家に帰ろう。
 だけど――
 
 あーっ! でも、やっぱり悔しいわね!

       

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