Neetel Inside 文芸新都
表紙

文芸作家解体新書
ポンチ

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はっきり言って、著者は彼の作品を全て読む自信がない。むしろ、全てを意欲的に読める人物がいれば紹介してほしい。
まず異様に香ばしいトップページから第一話を開いてみると、典型的な駄文が長々と綴られている。小説的タブーをふんだんに盛り込んだ厨二病ファンタジーの世界がいっぱいに広がる。
ドッカーン、ゴゴオオオオ、うわー、くらえー。
何度もページを閉じようと思ったが、せめて一話だけでもと歯を食いしばって読んでみた。ここもはっきりと言わせてもらうが、何も面白くない。二話に繋がる期待感も皆無、これからどんな展開が待っているのだろうと思う前に読むのを諦めたくなる。これはweb小説として致命的だ。
では彼の強みはどこにあるのだろう。それは継続力だ。驚異的と言っても過言ではない継続力は文芸新都には大変珍しい。なんとなく一話を書き、誰からもコメントがないと投げる。叩かれると投げる。何もなくても投げる。文芸では当たり前の光景だ。
彼は文芸新都創生期から連載を続けている古参作家であり、どんな叩きにも屈することなく、誰からも読まれずとも淡々と独自世界の大長編を今も書き続けている。
たまにつくコメントに気付いていないのか、既に新都社など眼中にないのか、はたまた書いているのは機械なのか。作者コメントではゲーム関連の独り言を繰り返し、その他一切の影響を受けずに書き続けているポンチはまさに文芸マシーンと化している。

作家の鏡と言っていい。

文章を書く者としては全く駄目だが、その姿勢は評価すべき点だろう。
著者はそんな彼の努力に感動して最終更新分を読んでみる事にした。巨大な大長編の途中から読むなんてマナー違反中のマナー違反だと思ったが、この際物語なんてどうでもいい。
予想とは裏腹に読みやすくなってはいた。が、よく考えるとこれだけの長期連載で文章力が向上してない方がおかしいのだが。
ざっと流し読んでみると、ここまで純粋無垢なファンタジーも珍しい。90年代初頭、まだまだライトノベルが表に出てこなかった時代に書き尽くされたRPG系ファンタジーの王道を2010年萌えと学園が流行する中に堂々と連載する度胸はマシーンにしかできない。
解説のページには溢れんばかりの情熱で書き詰められた文章が並ぶが、著者は残念ながら意味がわからなかった。
文芸新都に彼は必要なのか、不必要なのか著者もよくわかっていない。だが、彼も評価や方向性は違えど文芸に名を刻んだ一人の作家である事は確かだろう。

果てなき文芸マシーン ポンチ

話力     ★☆☆☆☆
文章力    ☆☆☆☆☆
キャラクター ★☆☆☆☆
知名度    ★★★★☆

作品
『twin jewel stories』

       

表紙

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