わが地獄(仮)
俺のコーヒー
あの店は高すぎる。
ずいぶんそう言われた。誰もが俺があの店に通うことが気に入らないらしい。値段が高いとか、ああいう洋食はどこでもだいたい美味いとかいって、取り合ってくれない。
それでいい、と感じる。
俺は俺の意思であの店に通っているし、コーヒーひとつとっても美味いと感じる。ただのインスタントコーヒーなのか、それともちゃんとした豆なのか、俺にはわからない。わかる必要がない。俺はあの店をいい店だと思う。パスタが美味いし、コーヒーがいい。俺がいいと決めたコーヒーなんだからいいに決まっている。
そう決めたんだから。