Neetel Inside ニートノベル
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着々と身支度をする志村。
普段の生活では使い時が分からないような、大きなカバンに、爪切りだの、リップクリームだの、代えの服だのを詰め込む。

志村の学校では、3年の夏に修学旅行が行われる。
受験に対して危機感の無い(ある意味感じる必要もない)志村の高校では、他の高校とのトラブルを避けるために、他の高校とはズレて修学旅行に行くのだ。
(案外、志村の学区では、1年と2年。2年と3年同士でのトラブルは少なかったりする。)

中学の時修学旅行に行き損ねた志村にとって、ほぼ初の体験である。
ただ、志村にわくわくは無い。
「どうやって向こうで時間をつぶすか」が、志村にとっての課題だった。


志村の学年は、比較的おとなしかったので、絶海の孤島とかではなく、都会に行かせてもらえた。
それは志村にとって好都合だった。町並みに溶け込んでしまえば。「地元の学生でござい」と言ったたたずまいでいれるからだ。

       

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Neetsha