「もしもし、楓か?俺だ。増田だ。」
「あら、増田さんどうしたの?依頼に息詰まったとか言わないわよね。」
流石、楓と言うべきか鋭い観察眼だ。
「ああ、まあそんなところだ。」
「はぁ、やっぱりね。私に電話してくるていうことはそんなとこだと
思ったわ。」
呆れた声が返ってくる。
「頼まれごとなんだが、鳳凰会って知ってるか?」
「知ってるもなにも、私そこの特別会員よ。それがどうかした?」
「実は今回の依頼絡みでなそこで情報が欲しいんだ。なんとか入れる方法はないか?」
「うーん、ないこともないわよ。でもなぁ…そうなるとなぁ…。」
どうも歯切れが悪いご様子。
「なんだなんだ。そんなに難しいことなのか!」
ついつい声を荒げてしまった。
「わわっ、ちょっといきなり怒鳴らないでよ!分ったわよ!方法はね。ゲストという
形で入るの、ただしそれは親族者に限るのよ!」
なに、ということはそういうことか。
「俺が楓の夫という形になれば入れるということか?」
「そっそうよ。だからちょっと困ってたの!」
ははーん、なるほどな。可愛いところもあるじゃないか。
「別に今になるか後になるかお前は俺のもんになることには変わりはないんだ。
いいんじゃないか?」
「ちょっと!それどういうことよ!―――はぁ、でも仕方ないか…依頼絡みなんでしょ。」
「そういうことだ。というわけでよろしく頼む。」
「もうっ!本当に強引すぎるわよ!準備が整ったら藤堂にでも迎えに行かせるからそこ等辺で
待っときなさい!」
ガチャッ、一方的に電話を切られた。だが俺は不謹慎だと思っても楓と会えることに胸を
躍らせていたりした。