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第十章 因縁

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バーは静まり返っていた。
「・・・・まさか・・・」
外の騒ぎに巻き込まれたのでは?
不安がよぎった。
しかしバーは荒らされた形跡はない。
前と違っていたのは地下に続いた階段がバーの隅にぽつりと。
・・・・貯蔵庫だろうか。
「・・・入ってみよう。」

「これは・・・。」
中には貯蔵庫でなく延々と続く通路があった。
果てしなく長く、暗い。
「明かりが欲しいな・・・。」

一旦上に戻る。
「・・・・あ、これ使えそうだな。」
暖炉に使う燃料だろうか、木材が置いてあった。
持参してきたマッチを使えば「たいまつ」になるだろう。

シュボッ
地下に戻り「たいまつ」に火をともした。
少しだけあたりが明るくなる。

コツ・・・コツ・・・
グロークの足音が通路を響かせる。

バギュン!!
「!!だ、誰だ!?」
「またお前か・・・。そろそろ死んだと思ったんだけどな。」
「お、お前・・・。」

間違いない、コイツは自分のことを虫の息にした男だ。
グロークは思わず後ずさりした。
「な、何しに来た?」
「お前と親しかったようだな。ロック。」
「な、何故知っている?。」
「(・・・あの女・・・。まぁいい。)」

男はグロークの横を通り過ぎた。
「お、おい・・・。」
「お前が生きていられるのも後少しだ。精精残りの時間を楽しむんだな・・・。」
「・・・・・?」
「それと。」
そういいながら男はこちらを向いた。
「奥に行ってみろ。面白いもんが見れるぞ。」
そういって男は外に出て行った。

「面白い・・・物・・・?」
疑問に思いながらもおくに進んでみた。
「扉・・・。」
鉄で造られた扉。鍵はかかっていない。
意を決して扉を開けた。

「・・・!ロック!?」
中にはロックが居た。あちらもグロークに気がついた様だ。
「ロック、どうしてこんな所n・・!!」
ロックの姿がみるみる変形していった。
ガチャッ
「し、しまった!」
扉にロックがかかった。


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突然変異を起こしたロック。
人間の姿は留めてはいるが殺気と言う物だろうか。
そういうものが伝わってくる。

たまらず逃げ出そうとするグローク
「(駄目だ!扉に鍵が・・・!)」
ロックがゆっくりとこちらに近づいてきた。
銃を取り出してトリガーに指をかけた。
「(・・・・駄目だ・・・・。)」
相手はロック。銃が撃てない。

その時ロックは鋭く伸びた爪を振りかざしてきた。
「!!」
辛うじて避ける事が出来た。
「・・・クソッ!!」
身を転じて銃を撃った。1発、2発。
ロックは静止した。
「やったか・・・?」
ロックは何事も無かったかのように攻撃を仕掛けてきた。
「うわっ!?」
避けようとしたが爪が脚を掠った。

「グッ・・・。」
銃を床に落として倒れたグローク。
ロックが大きく爪を振りかぶった。

ガチャ
あの時ロックから受け取ったあの銃を取り出した。
「・・・・すまない・・。」

                ド
                                    
                           ン
                       ッ

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