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2017年11月6日「創造神ノブユキの伝説」

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10月16日更新作品より



「創造神ノブユキの伝説」http://souzoushinnobuyuki.x.fc2.com/index.html



 クリーム小岩井先生作品。
 別名義の「群像プラネタリウム」や「いただき!ハートフィールド」でもハイクオリティな作品を見せてくれているが、本作はところどころ絵は手を抜いているが高い更新頻度と深いストーリー性で楽しませてくれている。
 本作を読んでいて、多くの新都社作家は耳が痛いことこの上ないだろう。ズバリこの作品のテーマは「自分が創作した作品を投げるな」に尽きる。
 過去、中二病の中学生だった主人公ノブユキが創作したラノベ的な恥ずかしい黒歴史設定集。その自分が生み出した世界に迷い込んだノブユキは、度々自分が生み出したものたちに苦しめられる。
 第六話で魔王に「この世界を終わらせて欲しい」と頼まれても、めんどくさいと逃げちゃう。
 第七話でジャスミンに「才能が無い」と言われ、落ち込む。
 第八話で再び自分が生み出した世界の現実に気づいて「主人公なんてやめたい」と言ったら魔王に殺意を向けられる。
 第十四話で魔王に頼ろうとして「つまらん男だな」とも言われる。
 第十五話でジャスミンに頼ろうとして「イライラする」とも言われる。
 読んでる方としても、ノブユキの煮え切らない態度にフラストレーションも溜まるばかりだ。こうしたことを言われている最中に、ノブユキの卑屈そうな目のカットが印象的な感じで度々出てくるが、多くの新都社作家は鏡を見ているような気分を味わっていることだろう。卑屈そうな目のノブユキは、そのまま今の自分と同じ目をしているのだ。いつまで自分の創作物と正面から向き合うことから逃げ続けるのだと。才能が無いと言われようが、「いいからやれ!」と思ってしまう。
 が、第十八話で治癒魔法を覚えてヒロインとなったミリアを救出すると決意し、主人公の代わりに物語を完結させる意思を見せたノブユキを見て、やっとカタルシスを味わうことができる。というところで、サブタイトルが「伝説の始まり」とあるのだが、もう正直ここまで描き切ったところで、本作のテーマは八割がた果たされている。
 多くの新都社作家に対し、「投げるなよ」と言っているに等しいので、素直に喝采したい。ここまでやってくれたら読者的には大満足である。あとはもう速やかに物語を完結させてくれたらいいかなと。「投げるなよ」と言っている作品が未完で終わったら何のギャグだよとなってしまう。
 残る謎は、第二十五話冒頭で魔王と話していた存在と、魔王の正体か。恐らく魔王がヒロインで、ノブユキが死ぬ方に賭けていたのがヴェイグ(本来の主人公)ではないだろうか? ノブユキがこの世界に召喚され、ミリアがヒロインとなったことで、本来の主人公とヒロインの行き場がなくなっているので、その線が妥当かなと予想している。魔王の素顔は早く見たい。りんごやぶどうジュースしか飲まず(お酒が飲めない)で男性経験もないし、ノブユキの死闘にハラハラして乙女っぽい仕草を見せているしで、紛れもない正道ヒロインである。
 ただ、物語を完結させると決意したノブユキとはいえ、魔王ともう一人と対峙するまで、普通にやれば大作RPGのように時間がめちゃくちゃかかりそうだ。が、そこは長々とやる意味はないかと思う。ミリア救出後、いきなり魔王と決戦でもいいのではないだろうか。神を呪うようになったミリアの価値観を変える創造神の働きぶりがあれば、彼女も救われて大団円である。
 マジコ戦もジャスミン戦とかぶるというか、ノブユキが創造神なりの戦い方を見せるシーンなので、違う見せ方をしていてもこれがずっと続くとなれば、余程工夫しなければ面白さは低減していく。ジャスミンもマジコも個性的でメチャシコな女性キャラだから面白さはあるけど、それ以外の男性キャラやモンスターと戦うといった展開はまったく期待していない。
 モブの騎士鎧をつけたキャラが火傷して大騒ぎしているシーンは面白いと言えば面白いけど、そう何度も見たいものじゃない。
 うん、やはり表はさっさと完結させて欲しい。
 裏に期待である。





以上です。
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