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廃棄物少女

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ゴミ捨て場の前を通ると一つのゴミ袋が目に付いた。その袋からは人の手がはみ出している。さ、殺人事件だ! 火曜サスペンス劇場だ! それと今日は生ゴミの日じゃないぞ!などと思いつつ恐る恐る中を開けてみると、なんと少女が入っていた。
 十五、六歳くらいのかわいらしい子で、後頭部には血がこびりついていた。傷はそれほど深くはない。少女はううん、と呻き声をあげた。どうやら気を失っているだけらしい。
 警察に届けようかとも思ったがここから僕の家までは歩いてすぐなのでとりあえず傷の手当てをしてやろうと連れて帰ることにした。

 家に連れて帰ってまもなく少女は意識をとりもどした。少女は記憶を失っていた。
 なぜゴミ袋なんかに入っていたのかはおろか自分の名前すら覚えていないという。手当てをした後警察に行こうと言ったがなぜか少女は拒んだ。
 それより何かお礼がしたいと言う。それは彼女いない暦が自分の年齢と同じという僕にとって願ってもないことだった。
 それじゃあここに住んで家事とかをしてくれたらうれしいなあ、などと僕がのたまうと少女はうれしそうに引き受けてくれた。
 そんなわけで少女は僕の家に住むことになった。

 最初のころ少女は家事全般をしてくれて僕がバイトから帰ってくるとあたたかく迎えてくれた。顔はかわいいし料理もうまいし言うことなしだった。しかし時がたつにつれてだんだんと粗暴でわがままになっていった。
 家で一日中ごろごろとしながらアレを買って来い、コレが食べたいなどとわめき、家事は一切行わなくなった。お前はお礼をするためにここに住んでいるんじゃなかったのかよ! などと思いながらも気の弱い僕は文句の一つも言うことができず、それをいいことに彼女のわがままぶりは日々エスカレートしていった。
 僕の彼女への不満は日々つのっていった。そうしてある日駅前の運動用具店で五千円で買った金属バットで彼女の後頭部をジャストミートしてしまった。
 僕は気絶した彼女をゴミ袋の中に入れてあのゴミ捨て場に捨てに行った。ゴミ捨て場には他にもいくつかのゴミ袋が捨ててあった。僕はなんとなく気になって他のゴミ袋の中身をのぞいてみる。するとどのゴミ袋の中にも少女が入っていた。
 最近こういう子増えてるのかなあ、なんて思いながら僕はそのままゴミ捨て場をあとにした。家に帰ってから今日が生ゴミの日じゃないことに気づいた。
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胃之上候多郎 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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