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スラム街の盗賊

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西暦2100年、東京。

フリーザ軍第37大隊長『ピッコロ』の統治する日本。

 日本における活動拠点が置かれたここ、東京はかつての華やかな大都会の面影は無く、地球人達は貧困に喘いでいた。

そんな東京に、ある二人組の窃盗グループがいた。
一人は栗林 一平(くりばやし いっぺい) 、通称『クリリン』。
ツルッツルに丸めたスキンヘッドが特徴で、ずる賢く、ケチではあるが、友情には厚い15歳である。
もう一人は『孫 悟空(そん ごくう)』。
ツンツン立った黒髪が特徴で、誰に対しても気さくで心優しく、少々世間知らずな15歳である。
そんなまるで凸凹な二人だが、今やここ東京で彼らを知らない者はいないと言うほど、有名になっていた。
それというのも、彼らが狙うのは常にフリーザ軍の物資なのである。
誰もが想像しただけで身の毛がよだつような大物盗りを、彼らは何度も成功させてきた。

今夜もまた、二人は食料を拝借するため、フリーザ軍の駐屯地にやってきた。

「いいか悟空。今夜はマジでオレの作戦ど~りに動いてくれよな。」
子供に言い聞かせるように注意を促すクリリンに、悟空が言葉を返す。
「え?オラいっつもクリリンの作戦通りに動いてっぞ?」
悟空の言葉には悪意は一切ない。それがより一層クリリンを苛立たせた。
「だったらなんで!最後はいっつもヒーヒー言いながら逃げ回る羽目になるんだよ!お前がここぞでヘマかますからだろーが!!この前だって…」
クリリンの言葉を遮って悟空が反論する。
「だってあん時はしょうがねぇだろ追っ手の乗りもんが娘っ子ハネちまいそうだったもんだから…」
「だからってなんでそのエア・カーを爆発させちまうほどぶん殴るんだよ!おかげで爆発に気づいた仲間がわんさか出てきて……ハァ……ったく」
ついつい声をあらげていたクリリンも、さすがに申し訳なさそうにしている悟空を見て調子を落とした。

「とにかくだ悟空。今日こそは勝手に動くなよ。絶対にだ。」
「おぅ!」
仕切り直したクリリンの言葉に、悟空も意欲満々に応える。
悟空の屈託の無い笑顔とは裏腹に、クリリンは不安が募るばかりであった。
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