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第三章

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◆第三章 あなたはだあれ


君のことをわすれようと僕はねむった
むかし読んだ絵本の事
眠ることはすべてを忘れてしまう事

君のことをわすれようと僕はねむった
むかし読んだ絵本の事
眠ることはすべてを忘れてしまう事


それでも僕が夢みるのは君の事



『それで学校生活はどう?』
アンシーが僕に訪ねる。
すこし肌寒い空の高い季節になったからだろうか、
アンシーは黄色のカーディガンをターコイズ色のドレスの上に羽織り
久しぶりに訪ねてきてくれた。

『普通だよ、しっかりと勉強もしているし。』
僕はベッドに横になりながら窓の淵に座っているアンシーに返事をする。
『そう。』
『うん。』
アンシーはまた僕を見透し、からかうような笑顔をみせて言った。
『友達は出来たのかしら。』
アンシーは僕のことがすべて分かっているようなような気がして背中のあたりに鉄を当てられたような冷たさを感じ、震えてしまった。
気持ちを落ち着かせた後
『全然。僕は大学の人たちが話すギャンブル、セックス、金の話はよくわからないんだ。』
とアンシーの顔を見ずに言った。
『ふうん』
『僕はやっぱり
ことりがどこに飛んでいくのか、
ミミズはどんな夢をみるのか、
ずっと夕焼けの空を鳥がとんでいたら、やっぱりオレンジジュースのような色になるのか
あのころしていたような話がしたいんだ。』
アンシーははぁと呟き、それから薄紫色の空を見ていた。

大学は好きになれなかった。
ポロナワ54技術大等学校という名前
技術の固まりのような建物
歯車の噛み合わせで自動的に動く階段
まるで迷路みたいにいりくんだ道
人がたくさんいる教室
大嫌いな灰色の壁
自分にはよく分からない話をする人たち
そのすべてに触れ合うたびに僕はまた家に籠りたくなってしまう。
大学に通い始めてからもう二ヶ月がたっていた。

『だからそんな嫌なことから逃避をするために、家に帰ったらそこに置いてある機械でずっとアニメーションをみてるの?』
とアンシーは僕の足下においてあるフィルム投影機をゆびさしていった。

フィルム投影機はライトとゼンマイで出来た機械だ。
500枚近い紙を機械の中央にセットする。
それぞれの一枚ずつに書かれた絵の淵にそって穴があいており、
その紙の一枚、一枚をゼンマイがパラパラをめくっていき
その横においたライトが人の形や、木の形や、動物の形に切り抜かれた穴から光をとおすことで
壁に影と光の二色を映し出し、あたかも人や動物たちが動いているように見せるものだ。
この機械も技術革新の時にこの街にやってきたものだった。
機械は嫌いだったが、このフィルム投影機だけは特別で、あたかも自分を別の世界につれていってくれるように感じられて好きだった。

『そう,,,,なんだと思う。この光と影の世界を見ていると心が落ち着くんだ』
アンシーははぁとため息をついて『さよなら』と僕に言って、
窓の淵をまたいで下に降りて行く前に
『私は影なんて嫌いだなぁ』
と言い残していった。

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大学にいっているといっても講義は専門のことしか受けていなかったので(僕は食品機械工業学と経営経済学の2つだけだった。)
ほとんどの時間が暇だった。
大学にいると気分が悪くなる、
家も弟の泣き言がうるさくて気がくるいそうだっただし、
日が出ているときは部屋が明るすぎてアニメーションをみることが出来なかったから帰る気になれなかった。

だから僕はほとんどの時間を大学の近くにある商店街『ポロナワ銀座通り』の中心部。
赤いレンガで出来た噴水と、その周りのいくつかの木のテーブルとイスが置かれている所の一つのイスにすわり、ぼーっと本をよんだりしていた。




ある日ふとした気まぐれで
『自分にもアニメーションが作れるのではないのか!?』
と思い、近くの画材屋『パピルス』で数枚の紙とえんぴつ、はさみを買っていつもの場所にすわりながらいそいそと絵を描き始めた。
なにかを始めたかった。

どんな話がいいかな?
どんなことばがいいかな?
どんな影を作ろうかな?

悲しいピーター
寂しいヒーター
あなたがつくれるのは影ばかり
ひかりをつくれるのはお日様だけ

虚しいピーター
可笑しいピーター
あなたがつくれるのは影ばかり
あなたがつくれるのは影ばかり
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『それってアニメーションだよね?』
僕が7枚目の少年の絵をはさみできっていると誰かが話しかけてきた。
アニメーションを書き始めてから5日目の夕方だった。
『えっ、うん』
振り返ると背の高い金髪の男が立っていた。
ピーターも街で目立つくらい身長が高かったが、この男も自分と同じくらい高いのだろうと思った。それにずいぶんと顔のイイ男だった。
『俺もアニメーション好きなんだよ。隣座っていい??』
僕は黙って隣のイスを引いた。
『ありがとう』
『これちょっと見てみていい?』
『えっ、うん』
男は僕が作り終えた紙を数枚とりだしてじっくり見始めた。
『,,,,うん。よく出来ているね』
『あ、ありがとう』
男は視線をこちらにうつして
『俺の名前はポール ウィンストン。そこにあるポロナワ54技術大学の1年生。君は?』
『あっ、僕はピーター ガブリ。君と同じ大学の一年だよ。』
『本当か。いやあまさか大学にこの趣味を持つ人がもう一人いたなんてな』
男は笑顔を見せていった。(目尻に笑い皺がくっきりと出て、口元のヒゲが横にひろがった。)
『僕もびっくりだよ。』

それからポールはおしゃべりなのだろうか、ほとんど一方的に喋りつづけた
大学にいるやつらとは話があわないこと
自分はポロナワ銀座商店街にある本屋『ウィンストンズ』の一人息子であること(僕も何度かアニメーション作品と本を買いに行ったことのある本屋だった。)
自分が専攻しているのは印刷学と古代物語学だということなど。
彼の専攻する講義は北館にあり(僕は南館)、僕をみるのは今日が初めてだということ(南館と北館の生徒はお互いほとんど顔を会わせる事がないのだ)

空も暗くなってきたころ、最後にポールはイスから落ちるんじゃないかと言うくらい反り返って空をみながら
『俺もアニメーションを作ってみたいと思ってたんだよ。協力したいから僕と友達になってくれるかい。』
といった。
一方的に喋り続けられていたけれども、不思議と嫌な気がしなかった僕は
『うん。こちらこそよろしくポール。』
とすこし微笑んで返事をした。
『いつもここの噴水近くにいるの?』
『うん。いつもここで本を読んだりしているよ。』
『そっか。じゃあ明日もココにくるからよろしく、また明日なピーター!』
と言い残してポールは走っていってしまった。

帰り道ぼんやりと
大学で初めて友達ができたなぁと思いながら自然と笑顔がこぼれた。
これでアンシーにからかわれずにすむぞ
そんな事を考えていたら早くアンシーがきてくれないかなぁと楽しみになってまた笑顔になった。

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ここ最近アンシーが来てくれない。
僕はどうしてアンシーは来てくれなくなったかを嫌でも毎晩考えるようになってしまった。

理由その1
僕とポールが仲良くなってから一ヶ月がたって、街に本格的な冬がやってきていた。
きっとこの冬の寒空の中を貴族のアンシーが来るのは大変だから

理由その2
アンシーが本物の貴族であることを自覚して、僕の相手をする気がおきなくなったから

理由その3
いつまでも子供で、アニメーションにはまっているような僕に嫌気がさしたから。

その2、その3だったらいやだなぁ その可能性を考えれば考えるほど眠れなくなってしまい、さらに食欲もおきなくなるのだった(大好きなシチューを見るのもいやになる)
その1ならば、春になればまたアンシーに会える。それまでの我慢だ
僕はどうしてもこの可能性であってほしかった。

どうして僕はこんなにアンシーのことが気になるんだろうか。
どうしてこんなに会いたいのだろうか。
どうして毎晩アンシーの黒髪を思い出すのだろう
よくわからなかった。
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『ずいぶんと進んできたな』
僕とポールが出会ってからちょうど2ヶ月目の日に
ポールが少女の絵の淵をはさみで切りながら僕の方を見ずに言った。
『そうだね。』
僕らが初めてつくる作品も七割方完成していた。
このころにはずいぶんと僕らは打ち解けていた。

普通のアニメーションは500枚近くで構成されていて、約10分くらいの作品だけれども、
初めてつくるものだから僕らは100枚で、2分くらいのものを作ろうと話した。
シナリオはポールが入る前から僕が作りたがっていた古い童謡『ナーザリークライム』の中の、年下の男の子と年上の女の子の物語を元にアレンジして作ることになった。

男の子が女の子を好きになって告白するのだけれども、
女の子は年上の男の人がタイプだから、と男の子をふってしまう。
悲しみにくれた男の子は自暴自棄になって部屋で暴れるんだけれども、
その時にすべってオルゴールに頭をぶつけてしんでしまう。
葬式のあと男の子の母親から遺品だからと女の子はオルゴールを渡され、
女の子が部屋でそのオルゴールを聞くと、おじいさんの姿になった男の子の幽霊が表れて
『君ごのみの年上になったよ!』と少女に迫る。
けれども女の子はそれが誰かわからなくてその恐怖からオルゴールを投げ、壁にぶつけて壊してしまう。
それと同時の男の子の幽霊も消えてしまう

これは悲しい物語だね、と僕が最初に物語を聴かせた時ポールは言った。
けどおもしろい、と続けていった。




今僕らが作っているところはラストシーンの女の子がオルゴールを壁にぶつけて壊してしまう所、
このあとは男の子が消えてしまうところだけだったので、物語はあと数日で完成するだろう。
けれども一番大変そうなのは、実際にフィルム投影機で映したときに問題無く動いているように見えるかの調整だった。
『あのさピーター』
『なに?』
『この作品が完成したらさ、一人の女の子にみせてもいいか?』
『えっ』
僕は少しおどろいた。
僕にはポールはいつも女をバカにしていて、女性を嫌悪しているようにすら見えたからだ。
『いいけど、誰にみせるの?』
『恥ずかしいんだけど、うちによく来る常連の子がいるんだよ。』
『ふうん』
『その子はいつもアニメーション作品をうちの店から買っていく同じ大学の女の子で、話した事もないけど、そのなんていうか、、、、、一目惚れしていてな。』
『ヒトメボレ? なにそれ?』
『うーん、、、つまり愛してるって事さ。』
『はぁ』
僕はまだアイシテイルって気持ちがよくわからなかったから、から返事をした。
『なんていうか、つまりその子の事を毎晩考えてしまって、次はいつ会えるかなぁとか考えたり、ドキドキして眠れなくなるなることさ、イメージでいうと桃みたいな色かな』
『はぁ でもどうしてその子にこのアニメーションをみせたいんだい?』
『うーん。恋をしたら自分のしている事を相手によく知ってもらいたいって気持ちにならないか?』
『僕にはまだコイとかアイとかがよく分からないんだ』
ポールは驚いて、そのあとすこしため息をついた後に僕の目を見ながら言った。
『お前はよく大人になりたいって俺にいうよな?』
『うん。』
『愛や恋を理解することは大人になるために絶対必要なことだぞ。』
とポールはからかうように笑いながら言った。
『はぁ』

僕らはその日のうちに少年の幽霊がすこし消え始めた所まで完成させた。
ポールはわかれ間際に
『その子に作品を見せるときはお前も一緒に来てくれよな』
と言って、黒い空の下で手を振った。

アイやコイを理解しなければ僕は大人になれないのだろうか
そのことやアンシーのことを考えながら家に帰った。

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すべての紙に穴を空け終わったあと、
チェックとして毎日ポールの家のフィルム投影機で作品を投射しては
動きの不具合を探して、それをなおす。
そんなことを一ヶ月近くの間何度も繰り返してから
何の不具合も無くなったとき
僕等は達成感で呆然としてしまい倒れ込んでしまった。
しばらくしてからポールが
『終わったな』とつぶやいた
『うん。長かったね』
『まさか本当にアニメーションがつくれるなんて、、、』
僕はすくっと立ち上がり
『それじゃあまず君が好きな女の子にこれをみせにいかなきゃね』とポールに言った。
喜ぶかとおもったがポールは悲しそうな顔をしてこう返事をした。
『それがここ一ヶ月ばかりうちの店に来ていないんだよ』
『えっ』
『それに大学でも全然みることがないんだ。今までは三日に一回は姿をみれたのに』
『なにかがあったんじゃないのかな?よくわからないけど、その風邪とか怪我とかが』
『うーん心配だ。それが気になって最近では夜も眠れないんだ』
僕はすこし吹き出してしまった。
『笑うなよ。あーあせっかく完成したのにな』
僕はすこし考えてから
『それならその子の友達を捕まえて、その子がどうしてるのか聞けばいいんじゃないのかな?』
『その子はおとなしくてな、友達なんていないみたいなんだよ。』
僕はさっきより長い時間考えて
『じゃあ大学の学生課にいって聞いてくればいいじゃないかな。僕の友達が最近来ていないんですけど、どうなってるのか教えてくださいって』
『そうか。 それ、いいかもな。ちょっと待ってて』
ポールは立ち上がって じゃあいってくるなと言い残して大学の方へ走っていった。
僕は一人ポールの部屋に取り残されてしまったので特にする事もなく、ポールの茶色にそまった汚いベットに腰掛けて
『つかれたなぁ』
と呟いて光と影の残像がのこって熱くなっていた目を閉じた。

ここ最近気持ちが落ち着いている。
ずっとアニメーションのことだけを考えているから
灰色の壁をみてもそれに心を動かされずにすむし
心にあった妙な焦燥感も感じずにすんだ。
まるで体温と同じくらいのお湯につかっているような心地よさが僕をずっと包んでいた。
ひとつだけ、たった一つだけアンシーが来てくれていない事だけが気がかりではあった。
『これもポールのおかげだ。一人だけだったならここまでアニメーション作りを続けれなかったかもしれなかったなぁ。』
とポールの部屋の天井を見つめながら無意識に呟いた。
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『おーい 失礼します。誰かいませんか?』
と太い男の声が店の方から聞こえてきた。
やれやれ、またポールの父親はどっかいったのか と思った。
ポールの父親は毎回店番のさぼってどっかに遊びにいってしまう遊び人だった。(それに愛想をつかした母親は身勝手にも出て行ったらしい、ポールの女性嫌悪はここからきているのだろうか)、
なのでひとが来たときは僕ら二人が対応していた。
時には店と関係のない僕一人で対応していたこともあった。

『はーい 今行きますよ。』
僕はポールの部屋から出て行き、木の壁と床で出来た古くさい廊下を歩いて本が置いてあるほこり臭い店頭に歩いていった。
『農業関連の学術本はどこらへんにあるのか?』
と声をかけた太い声の男がこちらも見ずに訪ねてきた。
『はい。えーっとそこの右側の通路の右から三番目の棚にまとめておいてあると思いますよ。』
『はいはいありがとう』と太い声をした老けた男がこちらをみながら言った。
そのあと
男はすこし驚いたような顔をしてこちらにゆっくりと歩いてきた。
なんだ?
男は僕の前にたち、僕の胸あたりまでしかない小さい体を背伸びして、僕の顔を覗き込んでいった。
『もしかしてお前ピーターか?』
『!、、そうですけれども,,,』
『いやあ大きくなったなぁ!見違えちゃったよ。のど仏もずいぶんと出て声も低くなったなぁ』
誰だろう。僕はその太い声をした小さい男をよく見た。
小さい体に似合わず筋肉で太い腕
すこし禿げかけた頭と日に焼けてずいぶんと真っ黒な肌
どれをとってもこの男を見た事がないように感じた。
『すいません。知り合いですか?』
男はぽかぁんとしたあと、大きく口を広げて笑いながら
『ハッハッハッ!!そうかそうかもうずいぶんと長い時間がたったからな』
『はぁ』
『俺だよ。ウォーターズだよ!ウォーターズ ワトス 子供のころはよく遊んであげただろ』
えっウォーターズ?
僕はビックリしてとびあがりそうになって言った。
『ウォーターズおじさん!?』
その後僕とおじさんは学術本を選びながら
『久しぶりだなピーター!!昔は俺の胸あたりまでしかなかったのにな』
とおじさんは自分の胸のあたりに手をあてながら言った。

分からなくても当然だった。僕のイメージのなかのおじさんはあたかも山のように大きい人だというイメージだったからだ。
『お前の父親も確か大きかったな。そうそうコーヒーは飲めるようになったか』
『いや、、、それより帰ってきたんですね』
『ああ!秋の少し前には帰ってきてたんだよ。ふふふ、下の街ではずいぶんと稼がせてもらってきたよ。』
とウォーターズは腕につけた金ぴかの腕時計を僕にみせながら言った。
『お会いできてうれしいですおじさん』
『ハッハ!俺もだ。せっかくだからまた遊びに来いよ。エマに会いにたがってると思うしな』
と僕の背中をバンバンと叩いた。
『えっ?』
『ん?ずいぶんと仲良かったくせに忘れちゃったのか。俺の娘のエマだよ。今はちょっと用事で下の街にいってるけど、もう少しで帰ってくると思うからさ。』
『あの、、おじさん エマが  いる  んですか?』
おじさんはすこし首を傾げて
『ん?だから今は下の街にいっていると言っているだろ。帰ってきたら会ってやってくれよ。』
『はぁ,,,』
『おおっとこれだ この本だ。じゃあこれお代。すこしばっか多いと思うけど久しぶりの記念だ!小遣いとしてやるよ』
とおじさんは本の値段の3倍くらいのお金を僕に手渡してハッハッハッと笑いながら行ってしまった。
僕は頭がこんがらがってしまってさよならも言えずただ呆然と立ち尽くしてしまった。



フィルムの一コマに飛び込んでしまったことりが
一人で眠ってる
音がなくて
動きもなくて
きもちいい

フィルムの一コマに飛び込んでしまったことりが
一人で眠ってる
音がなくて
動きもなくて
きもちいい

それをみつけたおとこのこは
もう二度と飛ぶことが出来なくなったことりを気の毒に思い
ことりの形にそってはさみで切りとって
空に投げてあげました
21

こども引力 先生に励ましのお便りを送ろう!!

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