Neetel Inside 文芸新都
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自らの性癖を暴露するアンソロジー
SとMのハイブリッド。リョナから学んだ美しい方程式/某インタビュー作家

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  性癖の話をする前に簡単な自己紹介をさせていただきます。
  わたくしは世間様から見ればM男らしいです。というのも、日々M性感なるものに通いつめ、上司の日々の罵倒にも屈せず時には笑顔でながし、地方の格安ソープでBBAに快楽の手ほどきを受け、ピンサロでびっくりするほどの地雷を踏んだとしても、無事に敵方に向け発砲、射精という任務を達成し、さわやかに店から帰還するわたくしを回りの方々は、彼こそ天性のM男であり、快楽に対するそのストイックさは大変気持ちが悪く変態的であるという嬉しい評価を頂いております。
  ただ、皆々様方に誤解をしてもらいたいのはわたくしの性癖は純粋なM男ではないということ、立派なリョナラーでありSの心も備え付けていると言うことを真剣にお伝えしたいということです。

  わたくしが最初に目覚めた性癖はリョナであったと記憶をしております。ええその原因、要因、因果を植え付けたのは紛れもなくドキンちゃんです。いつもわがままで、ばいきんまんを困らせ時にキュートなしぐさを見せるドキンちゃんに当時3歳か、はたまた4歳であったわたくしはもう、メロメロパンチをくらったかのようにメロンメロンでした。当時、父が買ってきたアンパンマンのキャラクターと簡単なお話ができるゲーム(詳しくは忘れましてが) を一度開けば、アンパンマンよりも先にどきんちゃんにカーソルを合わせ、ちょっと恥ずかしげにはにかみながら「ドキンちゃんはバナナが好きなの?」と言う言葉を、何度も何度も聞き続けた記憶があります。
  おいおいそんな作り話つまんねぇぞとか、やっぱりMじゃないか(呆れ)という方、お静かに願いたい。これは紛れもない事実であります。ただ残念なことに成人した今ならば、幼い頃同様に屈託のない笑顔で「ドキンちゃんはバナナが好き?」なんて聞いたら回りは南極大陸以上に凍えるだけでなく、それはもうドキンちゃんに対する紛れもないセクハラ行為であり、そのにやけ面に幼女は泣き出し、近隣の良識のある大人に通報されてしまうのも事実です。
  ゴホン、話はそれました。ええ、わたくしがリョナに目覚めたきっかけは間違いなくアンパンマン様のどきんちゃんに対する正義の鉄槌であり、アンパンチであり、それをくらい絶叫、「バイバイキーン」の流れは「悪を働いたなら、女であろうと容赦はしなくてもいいのだな」という謝った認識を幼い頃のわたくしに植え付けられたというのも事実であります。
  また、たちの悪いことにアンパンマンというアニメの特性上1度ピンチに立たされるのがお約束でして、アンパンマンをなぶるドキン様にも並々ならぬ恋心、及び欲情を小さい胸に抱いておりました。振り替えって見ればわたくしのジャパニーズHENNTAI魂は幼少の頃からふつふつと熱く煮えたぎり、それはそれは長い間煮込んだシチューのような……いえ、それほど高尚なものではありませんでした。訂正します。悪意に満ちた具材が放り込まれた、いわゆる闇鍋というやつに蓋をしてグツグツ煮込んでいたのだなと思います。今こう書いていると、まるでアンパンマンという作品は子供の教育に大変宜しくない、それこそ規制すべきアニメーションであると誤解をされる方もいらっしゃると思いますがそんなことはありません。是非ともお子さんと一緒に見て親子の親睦を図っていただき、親子共々ドキンちゃんに萌えていただきたいと切に願います。
 

   ここからわたくしのリョナという性癖を確固とする激動の日々が始まります。ゾンビ映画で、女ゾンビに噛まれる女性。アクション映画の女対女の戦い。ドカポンに出てくるハーピーやマーメイド。彼女たちの悲痛な表情、悪であるがゆえに容赦なく叩き斬られる様相、理不尽、夜更かしによって思考回路がショートした頭。想像力豊かであったがゆえに止まらぬ妄想の暴走。
  その悪癖は留まることを知らず、三國無双や戦国無双で倒す女モブたちの悲鳴や、女武将の死亡演出による儚さと一種の同情、時には彼女たちによる攻撃(我々の業界で言うご褒美)にわたくしのちいさな自尊心がめきめきと、立ち上がること(詰まるところの勃起)は日常茶飯事であり、時にプレイに支障をきたすこともありました。
 

  こんな生活を長い間続けた結果、表面上はドのつくMであると同時に裏の顔はドのつくSのハイブリッドが誕生したという訳です。
  普段は三次元の女性たちによって辱しめや恥辱にあい、それを二次元の彼女たちにぶつける。1度に2度美味しい状況を享受しよく今現在までに警察のお世話に、はたまた黄色い救急車のお世話にならなかったことを神に感謝する所存です。

  その過程で得た1つの心理。それはすべての感覚の共有であるのではないかと考えるようになりました。痛み、恥辱、興奮、快楽、感動。自分が感じたものを相手に伝え共有しなければならないという一種のキリスト的な思考。そして何よりも各個の性癖への理解……
  今では女の子になって女の子を滅茶苦茶に犯したいだけでなく、ひ弱そうな男子を無理やり押し倒し、M性感宜しく尻の穴を犯したい(わたくしは決してホモではありません)。嫌がる顔に顔射したい。女性にイラマチオしたあとその口の中にたまった己のザーメンを取り込むが如くディープキスして飲みたい。等々、様々な欲望に駆り立てられます。

さて、わざわざこのようなアンソロジーをサルベージし、多くの作家様の黒歴史を掘り起こすような真似をしてしまいましたがその恥ずかしさにまみれた表情を妄想し、いつまでも妊娠しない大便器に我が子種を中だしするのもまた一興。
  また、わたくしの駄文、乱文、長文を最後まで見届けていただいた読者の皆様に感謝の意を表して筆を置きたいと思いますが最後に一言。

  わたくしは決して変態ではありません。むしろ普通だと思ってます。

       

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