「おや、お客さんかい?」
暗闇の向こうから声がした。
「めずらしいな。私の家に一日に二人も来客なんて」
私という一人称からして女性なのだろう。
「何か用かい?」
そう女が告げた瞬間、眩い明かりが灯った。うっと目が痛くなる。
「おや、その服・・・」
目が明るさに慣れるまでじっと閉じている。
それよりも、今、女は俺を見てなにか知っていそうな反応をした。
「ははっ、今日は本当にめずらしい。まさか偶然きた客が、一緒の服装だとはな。
いや、もしかしたらこれは必然的なことだったのかもしれないな」
女は一人で訳の分からないことをぶつぶつと言っている。
「まあ、ゆっくりしていきたまえよ」
俺のようやく明かりに慣れ、ぱっと目を開けた。
「日本からの客人なら大歓迎さ」
そこには、どこまで高さがあるか分からないくらいの積み本と
この世のものとは思えないほどの美少女がたたずんでいた。