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そんな二人の花鳥風月
テーマ1「プロローグ的なナニカ」

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★毒にも薬にもならない豆知識★
ゐ墨→男。根っからのインドア派
リコ→女。バリバリのアウトドア派


テーマ1「プロローグ的なナニカ」


 現代。
 某国某県某市某家にて。

「ねぇねぇ、ゐ墨君さぁー、たまには外出てみない?」
「ぐはっ、何スかそれ? ここにきてとうとう僕、見放されたって事ですか?」

「…… にゃっはっはー。違うよ、うん。それは違うよ」
「あぁぁ、その意味深な間は何なんスか。だって、僕に外に出ろってことは死ねってことっスよね? この灼熱の太陽に身を焼かれて死ぬが良いフハハーってことなんでしょ?」

「いやいやいや。相変わらずネガティブなやっちゃなー、君は。もっと明るく楽しくいこうぜー」
「僕なんて所詮、闇の眷属っスから。引き篭りですから。ネガティブな位が丁度いいんです。ハハッ、リコさんのポジティブさが眩しいなぁ」

「よせやい、照れるぜぃ」
「… 何でそこで照れるんスか」

「え? だって今のって、遠まわしに私のことベタ褒めしてくれたんでしょ? 君は僕の太陽だーって」
「… あー、リコさんのぽじてぃぶさがまぶしいなー」

「相変わらず失敬だにゃー君は。何だね、その棒読み加減」
「まぁ、その話は一旦置いておくとして、結局なんの話でしたっけ?」

「置いておくなよー」
「あー、リコさんの(ry」

「分かったよぅ、わかったってば。私がぷりちーなのは十分わかったよ」
「……」

「ごめん。せめてナニカ言ってよぉ。寂しぃよぉ」
「ナニカ」

「私さぁ、やっぱり君は外に出るべきだと思うんだよねー」
「流石リコさん、見事な立ち直りの早さ。そこに痺れる憧れるぅ」

「私は本気だよ? 本気で言ってるんだよ?」
「本気と言われましても」

「私は、ゐ墨君と一緒に出かけたいんだ! お出かけしたいんだよ!」
「リコさん…。その気持ちはすんごく嬉しいんスけど」

「君と最後に出かけたのっていつだっけ? たまに一緒に出かけても、いっつも日が沈んでからだしさー」
「そ、それはだから… ウッ」

「どーしたの? ゐ墨君?」
「くっ、こんな時に! 静まれ、静まれ僕の中の黒い衝動! 静まれ僕の邪気眼!」

「だ、大丈夫?」
「ぐっうう、ぐぐ、うううっ…… ふぅ。だ、大丈夫です。いつものアレ、ですから」

「良かったぁ。ゐ墨君はたまにそれがあるからなぁ」
「はい。こればっかりは僕の宿命という奴っスからね。甘んじて受ける以外、仕方がありませんよ。それより、話の腰を折ってしまってスミマセンでしたリコさん」

「いーよいーよ。それでね? せっかくこんなに良い天気なんだしさ、今から一緒に出かけよーよ」
「リコさん」

「なーに? どしたの?」
「まさかとは思いますが…… リコさんって僕の事誤解してる?」

「やっぱり君は酷いやつだにゃー。私達、そんな短い付き合いじゃないでしょ? 君の事なら何でもお見通しだぜぃ?」
「はい。僕だってそう思ってますよ? でも」

「ズバリ、君はニンニクが苦手」
「正解です。他には? もっとあるでしょ? ほら、ほら」

「あぁ、君ってかなりの運動オンチだったよねぇ。そんなの気にしなくてもいーのに」
「た、確かにそうなんスけど、それはあくまで僕個人の問題っていうか、他にも大きな問題があるというか」

「他に? あー、分かったにゃー。あれでしょ? 早起きが苦手! いっつも夜更かしばっかりしてるし」
「… スミマセン、僕、すっかり忘れてました。リコさんって見かけ通り天然で常識知らずなんスよね」

「ムッキー! それは幾らなんでも酷いぜゐ墨!」
「でも、そこが可愛くもある」

「でっへっへぇー。やっぱりぃ?」
「うん。そこは照れていい場面ですね。あれ、ってか何の話でしたっけ? アルカって可愛いよねーって話でしたっけ?」

「それはナニカの話だろぅ? 今してるのは君の話! ゐ墨君ってそういうとこあるよねー」
「あっそうでしたそうでした。でも、むしろ話を積極的に逸らしてるのはリコさんの方だと思うんスけど…」

「てへペロ」
「………………… リコさん。知ってました? 吸血鬼って、日光が苦手なんですよ?」

「え? ニンニクだけじゃなくて?」
「orz」


お・し・ま・い

       

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