「あー屁ぇ出そう」
かすれた音の直後、轟音が響き、大気が震えた。熱風が駆け抜けていく。反射的に振りかえると、五十メートルほど後ろでは炎が立ち上り、一分ほど前に見た景色を黒煙が包んでいた。
横にいる友人は目を丸くして俺を見ている。
「お、俺じゃねえよ?」
証明するためにもう一度屁を絞り出す。かすれた音がする。
直後、再び轟音が響き、大気が震えた。
おしり
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