新都社作家の後ろで爆発が起こった企画
つまるところ爆発だったのだろう/顎男
背骨の芯まで震える衝撃が背後から襲ってきて、俺の爪先が三センチくらい浮いた。たたらを踏んでなんとか倒れずにいられたのは俺と何人かぐらいで、買い物帰りのおばさんはダイシンで買った夕食の食材を道路にぶちまけていたし、自転車に乗っていた小学生にいたっては転倒して肘を擦り剥き、誰も見てやしないのに泣くまいと歯を食いしばっていた。
つまるところ爆発だったのだろう。
振り返るともうすでに目の前で火の手が上がっていて、頬に火の粉が当たるほどだった。事故なのかそれとも人為的ななにがしかのあれなのか、とその時は冷静に考えているつもりだったが、後々になってめまいを覚えてぶっ倒れたことから察するに、おそらく呼吸を忘れて酸欠を引き起こすほどにはびっくりしていたのだろうと思う。