文芸新都で短歌よもうぜ企画会場
最後の、あいうえお短歌/橘圭郎
『ら』 楽をして許されるとき、されぬとき。見極めるのが大変苦労。
『り』 りんりんと鈴が鳴る鳴る、ぎりぎりに。心そわそわ、頭くらくら。
『る』 類型を嫌って書いた力作が、皆に言わせりゃダメの典型。
『れ』 歴代の番長学ラン受け継いで、ポッケに空いた穴を縫い縫い。
『ろ』 Rocking chairs what we were on with rock, you should make them your rocks.
『わ』 「分かってて止められないことあるんだよ」「そんな言い訳、聞きたくないわ」
(ゐ) 猪立つ山。萩の映えるは幽玄に戯れ給ふ神の息吹ぞ。
(う) 怨むのは、私をフッたからじゃなく、あんな女と抱き合ってたから。
(ゑ) 艶色の蝶と牡丹の共習ひ。我を見よとぞ競い咲くべき。
『を』 牡の鹿の寂れ啼きたる居姿や。紅葉ばかりが添ひにけるなり。