Neetel Inside 文芸新都
表紙

はぷにんぐ?バースディ
5:苺パンツが苺で苺が苺パンツで...あれ?

見開き   最大化      

もしも神様が存在するなら、どうしてこんなイタズラをしたのか。
俺は一生、いや、多分1年くらい悩みつづけるだろう...。

柔らかかった。
今まで感じた事のないくらい、柔らかかった。
心地よい、ほどに。

「イヤぁぁぁぁ!!」

辺りにこだまする、悲鳴。

バキッ―という効果音と、ぶれる景色。

床に叩きつけられた、背中。

「空也のバカっ!いくじない!」
いや、いくじなし関係ないだろ。
と、痛みの中で思ってみる。
パタパタ―と遠ざかっていく足音が聞こえた。
冷たいタイルの上に仰向けになってる、俺。

...何故入学早々、というか誕生日にこんな目に合わなければならないんだ。

「ファースト、キスが幼馴染ねえ...」
幼馴染フラグを気にしながら教室を目指す、俺の教室は1-Bらしい。
と、階段を上っていると後ろから声がした。

「あ、あのっ...!」
振り向くとそこにはさっきの苺パンツ少女がいた。
かなり赤面している。そりゃあ、パンツ見られたんだもんな。
「...何か?」
多少冷たいな、とは思ったけど他に言うことはない。
「今朝は...えっと、恥ずかしいところをお見せしてしまって...!」
「あ、俺は別に気にしてないから、うん」
パンツ見れたのはラッキーだったけどな。
というか、わざわざ言いに来るとは律儀な子だ。
「そういえば、君の名前は?」
「え?」
これじゃただのナンパ野郎じゃないか。
「えっと...同じ新入生じゃん?仲間が増えた方がいいと思って...」
わけのわからない言い訳をしてみる。
苺パンツ少女はポカン、とした顔でこちらを見つめていた。
ああ、入学早々何してんだ俺。

「...野々宮、苺です」

その子は照れてそう言った。

       

表紙

久留米くるみ 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha