刀遊記
リクエストのビリー×ピート
あまりホモにならなかった。これが限界いいいいいい
第二十二話の後
ビリーとピートは町外れに来ていた。
賞金稼ぎたちが集まり騒ぎとなったこの町にそう長くはいられない。
「ビリー、前に乗れよ」
「は? お前が前に乗れ」
二人とも満身創痍だった。馬は後ろの方がよく揺れるので身体に響く。
しばらく押し問答した結果、どうしても譲らないビリーにピートが折れることになる。
(まあこいつが折れるわけないよなぁ……)
そう思いながらもピートは後ろで揺られているビリーに肩越しに声をかけた。
「おい、俺にもたれていいぞ」
「ふざけるな。お前こそ俺にもたれていいぞ」
間髪入れずに予想通りの答えが返ってきた。
結局お互いに痩せ我慢を続けながら馬に揺られることになる。
(何やってんだかなあ)
どちらかがほんの少し寄りかかれば触れ合う距離なのに、二人して馬鹿みたいに意地の張り合いだ。
恐らく次の町に着くまでこの距離は縮まらない。
けれどいつか縮まるような、そんな気もした。
彼らが歩む道の先は、まだ長いのだから。
おしまい