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学者が助走をつけて殴るレベルの「古事記」
豆知識‐その6

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豆知識その六「三種の神器と、よくある勘違い」

 スサノオがヤマタノオロチを成敗し、その尻尾から剣が産まれた事で、後に三種の神器と言われる「草那芸之大刀(くさなぎのつるぎ)」「八尺勾玉(やさかのまがたま)」「八咫鏡(やたのかがみ)」が、ようやく全て登場しました。
「三種の神器」という言葉は、別にこれら三つだけに留まらず、様々な創作物で登場しますね。ゲーム好きな方などは、「草なぎの剣だけなら知ってるよー」って方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 しかし、これが原因かどうかは知りませんが、結構な割合で勘違いされてらっしゃる方もいらっしゃるようです。……まぁ、細かいと言えば細かいんですけどね。

・スサノオは草那芸之大刀を振るって、ヤマタノオロチを成敗した。

 と、こんな感じの勘違いをされておられるようです。しかし、これは誤りなんですね。

・スサノオがヤマタノオロチを成敗し、斬り落とした尻尾が草那芸之大刀になった。

 正しくは、こうなります。
 そして、スサノオがヤマタノオロチを倒した時に使った十拳剣ですが、実はこれには、特にこれと言った逸話はありません。
 厳密には、「十拳剣」っていう名前は、一つの剣に付けられた名前ではないのです。剣の種類の一つなんですね。「どうのつるぎ」とか「ブロードソード」とか、そういう意味の名前です。「エクスカリバー」とか「菊一文字」とか、そういう意味の名前ではありません。
 もっと言えば、狩猟家がナイフを持つように、剣道家が竹刀を持つように、持ってる人は誰でも持ってるものだったのです。
 余談ですが、この「十拳剣」という名前は、読んで字のごとく「拳十個分の長さの剣」って意味です。
 ですから今後、「十拳剣」という名詞が出て来ても、それはただの剣だと思っていただいて大丈夫なんですね。

       

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