Neetel Inside ニートノベル
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俺たちフー族! イクぞ鬼頭君!
鬼頭君、初めてのガールズバー編

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「ねぇ、緊張してるの?」
「いや……こういうお店初めてなんで」
本来なら順番は逆だろう。今俺は同期入社の村松君と阿南君と共にガールズバーで遊んでいる。真ん中に阿南君が、その左右に俺と村松君。カウンター越しに女の子が三人ついている。
  そもそも何でこうなったのかというと、最初は普通に飲んでいたんだけど、酔いも回って「よっしゃ!明日休みだしガールズバーにでもいくか!」と俺が言ったらみんなが賛同 。現在に至るというわけだ。
  恐ろしいのは、俺達全員がガールズバー初心者であることだ。
「とりあえずお酒でも飲みましょう!」
  俺達についてくれた女の子はそういってお酒をすすめた。それにつられて俺達3人はビールを流し込む。
  酔いも回り、いい感じに会話が弾んで来たところで俺と阿南君に付いていた女の子が他の客のところにいってしまった。ガールズバーはそういうところなんだろうと思ってたところで新しい女の子が到着。
「こんにちはー!アヤでーす!」
「サヤでーす!」
  まさかのギャルだった。しかもがっちがちの。正直俺はギャルが苦手だ。というか全童貞(素人童貞含む)にとっては天敵若しくは相容れない存在だと俺は思う。
  一方阿南君はノリノリである。チラッと村松君を見る。付いている女の子はアパレルショップにいそうな茶髪でショートヘアーのちょっとおしゃれ系な女の子だ。お互いスキーの話題で盛り上がって、「じゃあ今度一緒にスキーにいこうよ」なんて口説いてやがる。くそが。
「あれぇ?お兄さん飲まないの?」
「あぁ、ごめんごめん」
  半分残ってたビールを喉に流し込みおかわりをする。
「いいね!いいね!」
「お、おう……」
  ちょっと無理しすぎたか?なんて思ってると
「あたしもカクテルのみたーい」
とギャル2人がおねだりする。えぇ、結構高いじゃんなんて思ってたら、阿南君が「いいよ、じゃんじゃん飲め」なんていい出す始末。

  会話のほとんどは阿南君がリードしていた。最近のテレビ番組に、歌手、アイドルの話。ギャル2人は大盛り上がりで、俺は当たり障りなく相槌を打つのみ。というか話題についていけないし、俺はギャル相手に話せる話題がない。ガールズバーのギャルにアニメ、ゲーム、虫を語れるか?安牌だと思った動物の話題さえ軽く引かれたんだぞ。
  ビールがなくなり、おかわりを要求するとギャルが恐ろしいことを言い出す。
「テキーラでいいじゃん。テキーラ1つ! 」
まてまてまてと言ったが阿南君はにこやかに「いってこいよ」 なんて言い出す始末。そしてボーイさんがテキーラを運んでくる。
  初のテキーラ、一気に飲み干す。拍手が起きる。「うぅ!テキーラ!」なんて意味のわからない単語を発したあとすぐにトイレに駆け込み今まで食ってきたものとアルコールを吐き出す。ふらふらっと席に着くとなぜか女の子が1人増えている。丁寧に女の子のドリンク付きで。
  「すみませんジンジャエールお願いします」
「もう、無理しちゃダメですよ」
  清楚系な女の子が俺に言う。君がもう少し早く来てくれればこうならなかったんだよ……
  女の子からレモンを受け取りそれを頬張る。それを見てギャル二人と阿南君が爆笑。
「おう!鬼頭!俺は行くぞ!」
  こいつ完全に酔っぱらってやがる。じゃなきゃ片手にテキーラを持たないだろ。阿南君は一気に飲み干したあと謎の雄叫びを上げてトイレに駆け込んだ。
「どう?もう一杯行く?テキーラ」
  このギャル、本気か?丁重にお断りして心のなかで中指を立てる。もう一度村松君に視線を移す。いまだに最初の女の子を口説いてやがる。
  阿南君が戻って来てしばらくしたらお店の人に延長するかどうかを聞かれるもここで終わることを告げる。そしてお会計。
  正直な感想、なんか高くね?3人で一時間居てお値段27000円。お一人様9000だ。お会計を済ませ3人で帰路に着く。村松君と阿南君は結構満足したみたいでまた来たいと言っていた。俺は、ガールズバーは楽しかったがもう一度来たいとは思わなかった。この2人と俺はどう違ったのか?ちょっと心に引っかかる初のガールズバーだった。

       

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