「凄い……アーティファクトってこんなにあったんだね」
これも? と言いつつディリシアはガラスケースに入ったロザリオを眺める。
「まあ、アーティファクトと一口に言ってもピンキリですけど。
魔除けのまじない程度の品もあれば、人智の及ばぬ力を秘めたものもあります。
ここにあるのは……見たところ、ほとんどが前者のようですね」
「よく知ってるな」
と感心するジャスバルに、ミレイはパンフレットで口元を隠して微笑んだ。
「貴方達はアレですね、説明書とか読まないタイプですね」
「当たってるな……」
「当たってるね……」
一行はアーティファクトが並ぶ博物館を見物していた。
救出した第三王女から渡された物品(囚われていたためろくなものは無かった。剣にドラゴンが巻き付いたキーホルダーとか漢字が刺繍してあるリストバンドとか)の中に入場券が紛れこんでいたので、折角だから立ち寄ったのだ。
文字が刻まれた石版やジャスバルの身長の倍ほどもある大剣、馬引きの戦車。それに、宝石が埋め込まれた王冠や腕輪などのアクセサリーなど、種類は様々だ。
どちらかと言えば実用性より見栄えの良い物が多く、休日でも無いのにそこそこ賑わっている。
「ザッと見た感じ……エアルドを上回るほどのレア物は無いようだな」
と言いながらパンフレットをめくる。
夜になると青白く光る具足、肩こりがよくなる帽子、弾力があって割れない水晶球、ご飯がおいしく炊ける土鍋……。
「この『吹くと小鳥を呼び寄せるオカリナ』って楽しそうだね」
「『部屋干ししても洗濯物が臭わないハンガー』が欲しいですね」
「いらん。もう少し戦闘に使えるのはないのか……?」
と言いつつ、ジャスバルの目は『服が透けて見える眼鏡』の方をちらちらと見ていた。
『……ジャスバル』
「ちちちげーし! これがあれば黒騎士の正体もわかるかもしれないと思っただけだし!」
エアルドの冷めた口調に必死になって言い訳するジャスバルだが、当然彼はろくでもない事を考えていた。
「ミレイの偽乳疑惑が嘘か真か確かめられるなとは口が裂けても言えねぇぜ」
「……私が何ですって?」
うっかり心境を口に出してしまってたジャスバルにミレイが訝しげな視線を向ける。
「ななななな何でもないですミレイ先輩! 次はこれ見に行きましょう、これ……。………!」
慌てたジャスバルが指差した『これ』はまさしく、博物館の中でも最高にして最強の一品だった。
「綺麗……」
「これが、『女神の涙』ですか……」
空よりも海よりも透き通った、露草色の宝石。
雫型のそれが嵌めこまれたペンダントの幻想的な美しさに、ディリシアは勿論ミレイも見とれていた。
ジャスバルは脇に立っている説明の看板を読む。
「なになに……? 伝説によると、かつて人の男と恋に落ちてしまった女神が、戦いに赴く男に渡したアーティファクトの片割れとされている。その祝福は男をありとあらゆる災厄から守り、二人は生きて再会することが叶った。だが、やがて勃発した神と人との戦争の最中、愛する者の同族をどうしても傷つける事ができない女神を守るべく、男は人間の軍に一人反旗を翻す。女神の加護もあってたった一人で軍勢を退けるも、ついにペンダントが耐え切れずに砕け散り、祝福の効果は切れ、男は力尽きる。女神はもう動かない男に縋り付いて、再び涙を流した……。」
読み終えて振り返った所、ディリシアが静かに嗚咽していた。
「悲しい……お話……」
ミレイは彼女の背中を擦りながら、自らも悲しそうに呟く。
「……立派な男性だったのですね」
(ビットールだったらきっと、『けっ、女を泣かせてひとりぼっちにさせてにして何が立派だ。笑顔にできてようやくいっぱしの男ってもんだろうよ』くらい言いそうだな……)
ジャスバルは一人、ここに彼がいた時の反応を想像して苦笑いしていた。
(でも、例え自己満足でも……絶対に守りたいものって……あるよな)
そのためなら、何をしてでも――
そう考え込んでいた時、奥で警備兵達と話し込む男が目に入った。
パンフレットにも乗っていた顔だ。
「やはり、警備を増強するべきかと……」
「いやしかし、彼女は変装の達人と聞く。あまりに大人数だと、かえって裏目に出る可能性も……」
「いっその事、偽物を置いて本物は館長が身につけて家に篭ってるとか……」
「いやいや……」
「どうされました?」
それに気付いたミレイが、彼等に声をかけた。
「巡礼の旅に同伴している騎士、ミレイ・ザーンガルドと申します。館長殿ですね? 何かお困りですか?」
「まーたあいつは面倒そうなことに首を……」
「まあまあ」
率先して話しかけるミレイに悪態をつくジャスバル。それをディリシアが宥める。
「ああ、ようこそおいで下さいました騎士殿。それにみなさん。実はですね……こんなものが届いたのです」
こんなもの。一枚の紙切れを、三人は覗き込んだ。
『明日の深夜十二時
女神の涙を頂戴に参りますニャ
一目見た時から欲しかったんですニャ
嫌だと言っても貰いますニャ
怪盗ナインテールより
P.S 館長がヅラって事はお見通しニャ』
「……何これ?」
「予告状……のようですね」
「犯行予告とは舐めた野郎だな」
三人は優しかったので館長の頭髪の事には触れないであげた。
「最近巷を騒がせている怪盗です。高価な宝やアーティファクトなんかを盗むと予告し、どんなに対策をしてもまんまと奪われてしまう……素顔は覆面をしていて不明だが猫耳に尻尾が生えた少女のため割と一般人からも受けもいい! ずる賢い奴です」
「ね、猫耳……」
うわあ、とディリシアは乾いた笑いを浮かべる。
「自己顕示欲の塊みたいな奴だな。放っておくとその内脱ぎだすタイプだ」
「予告状の丸文字と言いあざとさを隠そうともしてないですね……許せません……絶対に……ッ!!」
ツンデレ姫騎士よりもチヤホヤされそうなキャラのせいか、ミレイは物凄く怒っていた。
「まっさ……しょっぴいてやらねばなりませんね! ジャスバル! ディリシア!!」
(今抹殺って言いかけた……)
その場にいる誰もが彼女の殺気に物怖じしていた。
(……。これは、ひょっとすると……)
ジャスバルは少し考えた後、訊ねる。
「……館長さん。その予告状しばらく借りてもいい?」
「ええ、構いませんが……どうかなされたのですか?」
「いや、なんか手がかりとかあるかなーって思ってさ」
手紙を預かり、うーむと唸る。
「私としても処分しておきたかったので持って行って構いませんよ。あまり見せびらかしたりはしないで欲しい所ですが……」
恥ずかしそうに、館長。
「了解。まあ期待しないで待っててくれ。警備は俺達も手伝うよ」
そう言って、彼はその場を後にした。
次の日。
宿屋で休んでいた一行は、館長から連絡を受けて再び博物館へと赴いた。
「また予告状が届いたのです」
顔を伏せたまま差し出された一枚の紙切れを、三人は覗き込む。
『ごめんなさいニャ
体調を崩してしまいましたニャ
今日は無理なので明後日に伺いますニャ
そこんとこよろしくお願いしますニャ
怪盗ナインテールより
P.S 館長が●●●●●●●って事は割とバレバレニャ』
●の所は塗りつぶしてあった。
いい年してガチ泣きしてる館長を見て、優しい三人は追求をしないであげた。
「随分勝手な奴ですね! 当日ドタキャンとは! 恥を知りなさい恥を!!」
「まあ律儀ではあるけどね……」
「野外露出でもしてたんじゃねーのか」
「エッグ……と、言うわけで……今日は来ないそうです……」
悲しさと悔しさで胸がいっぱいになっている館長が警備兵に慰められているのを見て、流石に反省する。
とにかく、勝負は二日後と言うことになった……
……『その日の』、午前十二時。
通常配置の警備兵が交代で見回っている。
ランタンの灯りから身を隠し、周囲を確認する影が一つ。
(……?)
音を立てずに女神の涙に忍び寄る影。手には小さな鍵……全能解錠のアーティファクトが握られていた。
ガラスケースは難なく開き、苦もなく女神の涙は小さな手に収まった。
覆面の下にどこか物足りなさげな表情を浮かべるが、目的はあくまで女神の涙。潜入した時の窓を再び開き、屋根を無音で走り抜けた。
端まで来た所で、跳躍。
月輪に、鮮やかな手口で宝を奪い去った怪盗の影が浮かんだ。
「ふっ」
すとん、とまるで猫のように着地する。周りに人気のない路地だ。
そこに、急に気配が現れた。
「!」
フードを深く被り、マントを羽織った怪しげな人物がそこにいた。
「それを……渡して貰おうか」
「……同業者?」
ぴこん、と大きな猫耳が跳ねた。
フードの男はダガーを取り出し、両手に一つずつ構える。
「このナインテール様の獲物を横取りしようなんざ、身の程知らずもいいとこニャ。丁度警備がザルすぎて遊び足りなかった所だニャ!」
ナインテールが両手を力強く振ると、しゃきん、と金属製の爪が飛び出してきた。
「残りの八本の尻尾はこの爪ニャ! 素っ裸にして女神の涙が入ってたガラスケースに展示してやるニャ!」
横っ飛びで壁に張り付き、勢いを付けて飛びかかるナインテール。
すれ違い様に一撃。マントに深い切れ目を入れる。
「……!」
「心配はいらないニャ。私は主義として人を傷つけないからどれだけ抵抗してもアンタは傷一つ負わないニャ……それをできるだけの技量があるから、ニャ!」
精神的に傷つけるのは趣味としてなのか、ナインテールは嗜虐的に笑い、舌なめずりをする。
壁を蹴って、再び壁へ。
その素早い動きに、フードの人物は必死に彼女の姿を目で追おうとする。
が。
「おっそいニャ!」
背後から斬撃。破れた布の欠片が、月夜に舞う。
振り向いた瞬間、横から爪が迫る。ダガーで受けたと思ったら、既に彼女は視界に存在しなかった。
「お? 少しは出来るのニャ? でも……まだまだニャ!」
まるで竜巻のように、フードの人物を中心としてナインテールが荒れ狂う。
ダガーでどうにか対抗しようとするも、彼女の方が常に一手上回っている。防戦一方だった。
「……まいった……」
「おやおや? 降参かニャ? 顔を見せて土下座するなら、まあ許してあげない事も……」
「違う。慣れない武器じゃ勝てなさそうだから言ったんだ。いやぁ参った参った、って」
フードの人物は、マントの中に隠し持っていた剣を抜いた。
万一の時に正体が割れにくいように、なるべく使わないように心得ておいたのだ。
「それは……何? 見たことないアーティファクトだニャ……」
フードの下から、茶色い髪をした狩人の眼光が覗いた。
「行くぞ」
彼が発言は怪盗への台詞ではない。
自らの、魔剣に対しての呟きである。
話は前日に遡る。
ジャスバルは館長から貰った予告状を手に、ある人物の元を訪ねていた。
表の看板には『ドロレス探偵事務所』と書いてある。
「ここらへんで一番の腕利きらしいな、あんた」
「まあ、負けない自信はあるよ」
ぷくぷく、と水パイプをふかし足をデスクに投げかけて座っている、まだ少女と呼べる歳の女性だった。
室内だと言うのにハンチング帽を被り、じとっとしたダルそうな目で新聞を見ている。
腕利きの割には暇そうである。その理由についても、情報屋からは聞いていた。
「でも、怪盗ナインテールを取り逃がしてからは評判はガタ落ち。今は鳴いている閑古鳥をとっ捕まえて食ってるような生活、と……」
「……なに、キミはボクに喧嘩を売りに来たの?」
新聞から目を離しジャスバルを睨むドロレス。
ジャスバルはそれを手で制止し、挑発的に微笑んだ。
「うまくて裏のある話を売りに来た」
「……ふーん?」
「あんたは……あまり正義感のあるタイプじゃないらしいな」
「まぁね。正義も悪もそこまで興味はないよ。富と名声と、人生のほんのスパイスとして謎があればいい」
「そっか。それを聞いて安心した。ぶっちゃけこれは犯罪だ」
「仮にも探偵の前でその発言はどうかな……ボクは牢屋に入る気は無いよ。聞かなかった事にしてあげるからそこの出口から……」
「ナインテールを捕まえられる、と言ったら?」
ガタ。
ドロレスが机から足を下ろし、新聞を放り捨てた。
「話を聞こうか」
「……なるほど。キミは女神の涙を手に入れ、ボクはナインテールを捕らえることができる、か……」
「その為に予告状の筆跡を真似て出して欲しい。今日中に出来るか?」
「余裕だよ」
くっくと笑うドロレスは、既に偽の予告状を完成させていた。
「頼もしいな」
「前に取り逃した時に穴が空くほど見たからね……探偵ならこんなの、朝飯前さ」
「へぇ、大したもんだ……って、あの館長シークレットブーツなんて履いてたのか……」
「確かな情報だよ。まあリアリティのために犠牲になってもらおう。奴の逃走ルートについては大体推測できるが、ボクの貧弱な体力ではあの糞猫を捕まえる事は不可能だ」
「そこは任せろ。獣の相手には慣れてる」
「頼もしいね……それにしても、そんなに欲しいんだ、女神の涙」
ディリシアの顔が、脳裏に浮かんだ。
「ああ……欲しいな。罪を犯してでも、絶対に手に入れたい」
「巡礼の旅、か……災難だねぇ」
「力不足を実感した。なりふり構っていられないと思ったんだ。何をしてでも、絶対に……あいつだけは守ってみせる」
拳を握りしめ決意を秘めるジャスバル。
ドロレスはにやにやしながらそれを見ていた。
「……何だ? そんなにおかしいか?」
「いやいや」
不機嫌そうに言うジャスバルに、ドロレスは尚も笑顔のまま頬杖をついた。
「その彼女、幸せものだなって」
「エアルド……俺を、軽蔑するか? こんな犯罪紛いの事に手を染める俺を、薄汚い泥棒だって思うか?」
小声で呟き、抜剣するジャスバル。
『お前の答えだ。何をしてでも守ると決めたのなら……我は一振りの剣、ただ主人の道を切り開くのみ!』
「そっか……ありがとな」
相棒の肯定は、そのままジャスバルの推進力となる。
直感でガードした瞬間、ナインテールは大きく弾き飛ばされていた。
爪は全部、僅か一撃でべきべきとへし折られる。
「ニャっ……!? 動きが……まるで違う!?」
空中で体勢を立て直そうとするも、着地する頃には既にジャスバルは間近に迫ってきている。
矢よりも速く鋭い突進からの刺突を、身を捩ってどうにか躱す。
避けたと思った瞬間には顔面に殺気が奔っていた。
反応。一瞬遅ければ綺麗に、ナインテールは覆面ごと顔を縦に両断されていた。
覆面が斬られただけで済んだのは、ほとんど奇跡だった。
「ひえっ……」
露わになる、少女の素顔。
悪戯好きそうな吊り目は恐怖に潤んでいる。
猫耳は自前のものらしく、人間の位置にある耳は無かった。
一方未だ顔を隠したジャスバル。フードの奥から、茶色の瞳が覗く。
自分のことを、害獣か何かとしか思っていない目つきをしていた。
「むっ……無理無理! こんなの相手にしてたら命がいくつあっても足りないニャ! さよならニャ!」
全速力で路地から通りの道へと疾走するナインテール。
慌ててさえいなければ、暗がりの中でも細いワイヤーが見えていたかもしれない。
ピン、と彼女の足が、糸に引っかかった。
「ニャ?」
広範囲に渡るネットが、頭上から降ってきてナインテールを覆う。
爪が折れている彼女に、抵抗などできるはずもなかった。
「俺は猟師だ。猫一匹くらい罠にかける事なんて、朝飯前だ」
ダメ押しに、用意しておいたマタタビを顔面にぶっかける。
「にゃ、にゃ~!」
ふらふらになってしまった彼女の身体を、近くに置いていた縄で縛る。
念には念を入れて、サクッと亀甲縛りにした後簀巻きにしてトドメに鎖で雁字搦めにして担ぎ、ドロレスの元へ向かう。
「おー。流石。後はガラスケースに偽物の女神の涙を入れておくだけだね」
「しかし、売店のレプリカで誤魔化せるのか?」
「多少見栄えがいいように弄くっておいたからね。ガラスケース越しだとそうそう気付かないレベルだから、そこの薄汚いファッキン猫さえ来なければしばらくは安心だよ」
そしてそのナインテールは簀巻きにされて泥酔して眠っている。
見事、ジャスバルは女神の涙を手に入れたのだった。
「君達がこの街を去ってからナインテールを引き渡した方がよさそうだね。何か余計な事を供述してもどうにもならないし」
「済まないな。できればそうしてくれ」
「いやぁボクもこいつには色々と恨みがあるからね……」
ふふふ、と邪悪な笑みを零すドロレス。
「お、おう……じゃあ、俺は後片付けをしてくる。ありがとな、何から何まで」
「ううん、お礼を言いたいのはボクの方だよ。……巡礼、頑張ってね。応援してるから」
「ああ。絶対に成功してみせる。終わったら遊びに来るからな」
そう言って扉を閉めるジャスバル。
ドロレスはしばし扉を眺めた後で水パイプを思いっきり吸い込み、煙をもわっと吐き出す。
「……羨ましいなぁ」
大きく溜息をつき、地面に突っ伏してるナインテールを足先で転がした。
「結局来ませんでしたね、ナインテール。二度もドタキャンとは、怪盗の風上にも置けない奴です!」
「怪盗って時点で色々とアレだけどね……」
「風邪がよっぽど酷かったんだろ。まあいいじゃねーか、女神の涙も無事だったんだし」
一行は誰も来ない警備を終え、街を離れて旅を続ける。
「あ、そうだディリシアこれやるよ。売店で売ってたレプリカの安物だけど、お守りにしとけ」
そう言って、ジャスバルは蒼いペンダントを取り出した。
「あれ、これって女神の涙!? うわぁ、ありがとうジャスバル! 大事にするよ!」
嬉しさのあまりその場でつけ始めるディリシアを見て、ジャスバルは一安心した。
「……私には何か無いのですか、ジャスバル?」
三人で旅をしている時に目の前でこんなことやられては、不機嫌になるのも当然である。
だがジャスバルに抜かりは無かった。
「ミレイにはこっちの方がいいかなーと思ってさ」
「こ、これは! 『部屋干ししても洗濯物が臭わないハンガー』!」
「のレプリカ」
「ただのハンガーじゃないですか!!!! それ以前になんでディリシアがペンダントで私がハンガーなんですか!!!!!」
「おま、馬鹿、撃つな! やめろ! 精霊使うな!!」
一行の旅は、まだまだ続く。
「じゃあ泥棒猫くん、一時間耐久くすぐり地獄十セットからいってみようか」
「や、止めるニャ! 勘弁したって下さいニャァ!!」
「ほーれこちょこちょー」
「にゃ、にゃははははははは!!! 珍しい剣の男、覚えてろニャァァァァァァ!!!」