Neetel Inside ニートノベル
表紙

転生した世界はとんでもないところでした!
VSサキュバス 男の夢は悪夢になって…… セックスに年なんて関係ない!

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  流石に空を飛んでの移動はピリアに負担がかかるので歩きで移動。なのだが……
「つ、疲れた……」
「駄目だ。一時間毎に15分の休憩が望ましいんだ。足を止めるな」
「言ってももう結構たってるじゃない……」
「ばか野郎!まだ歩きだして5時間くらいしかたってないぞ!」
   若干引きぎみになったピリアに俺は続ける。
「距離で換算すると15から17キロしか歩いてないはずだ。おまけにこっちは荷物も背負っているというのに……」
「あなた、歩いてる間は何を考えてるの?辛くないの?」
「エロイことだ。辛いかって?辛いと思うから辛いんだよ」
  なにかをあきらめたように虚ろな目をして歩き出すピリア。よしよし、いい子だ。
「そういえば、どこに向かってるの?あたしたち」
「四天王、サキュバスのところだ」
  ピリアは歩みを止め、細い声で俺に聞く。
「もしかして……サキュバスにもその……あれをするの?」
「あれじゃわからないなぁ」
「セ、セクハラよ!」
  攻撃してくる前に必死になだめ、しっかりやることやってくることを、動作も交えて伝えると、ピリアは必死の形相になって俺を止める。
「駄目!それは絶対駄目!」
「世界を救うためだ」
「それでも駄目!」
  あまりの必死さに思わず意地悪をしたくなる。
「俺がお前以外の奴と"して"欲しくないのか?」
  一瞬だけ顔を赤らめたピリアだったが、首をぶんぶん横に振り懸命に否定する。
「違う!いや違くないけど……駄目なの!駄目、絶対に駄目!」
「知らん!俺は行くぞ!」
  話を無視して先に進む俺。ピリアは俺を制止しようと後ろから肩をつかもうと腕を伸ばすが、そのまま地面に倒れ込む。
「駄目なの……ってキャっ!なにこれ!」
  こっそりと足首辺りを凍らせておいたお陰で俺は難なくピリアを置いておくことができた。
「1時間くらいで溶けるはずだからそれまで休んでな」
  後ろからピリアの叫び声が聞こえるが無視。「あなたのためにも戻ってきて!」とか「絶対にサキュバスとしちゃ駄目!」とか聞こえたが気にしないことにした。

     

  サキュバス達の住みかと思われる場所までたどり着いた俺はその辺を歩いていた女性に話しかけた。なんと彼女はサキュバスらしい。
「あの、本当にヘレン様のところへ案内するだけでいいんですか?」
「ヘレンだかなんだかしらんがお前らのボスのところにつれていくだけでいい」
  びくびく怯えるサキュバスにそう伝える。言っておくがまだ聖なる行為には及んでいない。
  サキュバスが言うには、ここ何年も人間の男からまともに精気を吸い上げることができていないという。その言葉通りなのか頬や体は痩せこけているし目は生気を感じさせない。ただ、美人であることの面影だけは残されていた。単にこのサキュバスだけがそうなのだと思ったが道案内の途中でみたサキュバスたちも同様に生気がなく、本当にひもじい思いをしているようだ。
「私たちは元々人間達と共存して生きていたらしいんです。男たちの夢に現れ精気を吸いとる。それによって他の女性が襲われることもなかったですし、浮気もしないので夫婦仲は円満だったらしいんです」
  私が生まれる前の話なんですけどね。そういう風に寂しく笑って付けたすサキュバス。
「それが、昔起きた戦争によって終わってしまったんです。勇者やその仲間達は私たちの先祖……おばあちゃん達をひたすら殺して回ったらしいんです。さらには近くの村の人たちもいなくなって……」
「他の場所に移る気はなかったのか?」
「私たちはここでしか魔法を使うことができないんです。相手の夢の中に入り込む魔法……それはとてつもないほどの魔力を必要とするんです。私たちはもう使うことができないですが」
  "夢の中に入り込む魔法"というワードが引っ掛かった。
「その、夢の中に入り込む魔法とやらに俺はかかったんだが……」
  サキュバスは信じられないと言った表情で「そんなことをできるサキュバスは四天王のヘレン様くらい。そのヘレン様も私たち同様に魔力を失いそれが使えないはずです」と否定する。
  おかしい。だとしたら俺がかかった魔法は一体……
  いつの間にか城の前に来たが本来いるはずの衛兵の姿がない。
「戦えるほど元気なサキュバスは残っていないんです。元々、闘いを好まない種族ということもあるんですが……」
「なら、ヘレンとやらの場所まで誰にも邪魔されることなく行けるということだな」
  サキュバスは少し悩んだあと「恐らく」と小声で言った。
  これほど好都合なことがあるだろうか。もう雑魚共に振り回されるのは懲り懲りだ。
「ありがとう。ここでもう大丈夫だ。最後に君の名前を聞かせてくれ」
「アリメと言います。あの、つかぬことをお聞きしますが、あなたは何者ですか?」
  少し悩んだが、抵抗されたり助けを呼ぶことはできないだろう。はっきりと伝える。
「俺は勇者のハヤトだ。お前らの親分を浄化しにきた」

     

  驚いたことに、アリメは、自分の親玉が浄化されるところを見たいと言い出した。まぁ浄化の方法はいっていない。ただ、悪さを行えない体にするだけだということだけを伝えただけなので特に問題はないはずだ。途中で何人かのサキュバスに会ったが彼女達はアリメや、外のサキュバス達よりかは元気そうではあった。それでも貧しそうなところは変わらなかったが。彼女達は俺を見ても特に興味が無さそうだった。不安を覚えるがここで面倒を起こしたくないし、闘う意思のない魔物に聖なるものを与えても意味はないし自分に何が起こるかわからなかったのでやめておいた。
  やがて、「わたくし、ヘレンはここにいますよ」と言わんばかりに豪華な装飾が施された扉の前にたどり着いた。
「ここです。今扉を開けますね」
「待て」という前に開かれる扉。
  一見すれば廃墟のようだが、いまだに生活感の残されている広いホール。そこにたたずむ1つ影。
「待っていたぞ。勇者ハヤトとやら」
 
  これほど自分の宿命に絶望するとは思いもしなかった。身の危険を感じ、思わず1歩後退したそのとき、アリメによって体を拘束される。
「ハヤト様、ここで逃げるのは許されません」
「待て、どう考えてもおかしいだろ!」
  人生の中でも、これほど狼狽したことはないし、はたまた自分が経験するとは、ましてや避けて通る道を歩まされようとしている。邪悪を感じ、己の意思に反して雄々しく光るグングニル。ここで初めて、この聖槍は自分の意思に関係なく戦闘態勢に入ることを知る。
「勇者ハヤトよなにをうろたえている?。私の邪気を払えるのはお前のみだぞ」
   だからといってこの仕打ちはないだろう。どんなに長く生きようと、どんなに性に猛り狂おうが、老婆と行為に及ぶという考えにに至らないはずだ。
  見たくないものが近づいてくる。その恐るべき数の皺、皺、皺!
「お、俺は無理だ!頼む勘弁してくれ!」
  50-80 よろこんでなる文言があるがそれは一部の人間の嗜好であり(本来はそういう意味ではないが)、健全な、雄として子孫を残すのであれば考えられないし、そもそもこれは生き物としてはおかしいのである。

「やめてくれ……」
  必死の懇願、抵抗も虚しく、いつの間にか増えたサキュバス達によって手枷足枷目隠しを施された俺はそれでも暴れるが、耳元で「すぐに終わりますよ」とアリメに声をかけられ耳たぶを生温かくぬるりとしたもので愛撫される。服を乱雑にぬがされ次第にその生温かく淫らな感触は肩、首、太股、胸の辺りを襲い、視覚を奪われたことによって敏感になった体に快感を与え、これから起こる悲劇を少しでも和らげてくれているのかと勘違いしてしまう。
「何も考えてはいけません……ただ、私達に任せてくれればそれでいいんです」
  腰を持ち上げられ、菊門に冷気を感じさせられた直後、ぬるりとしたものが入り込む。全身をそのようにされてはそれこそ発狂寸前、欲望を解放してくれと懇願するものだが、自分の胸に乗る、考えるのもおぞましいがさついた何か。嫌悪感しか感じさせない臭い。しかしながらそれに蓋をするかのように、はたまた気を紛れさせるように、やわらかな唇が重なったと思えば、全身を襲う快楽の元凶が俺の口を犯し始める。必死にそれにすがるしかなく、グングニルを覆うなにか、幾度も感じた感触に似ているものを受け入れる。若干違う要素としては、その暖かいものには、ストロークされている間に感じる"固さ "というものがなく、すべて肉で、かといって出すものを正しく放出するところではないことを説明したい。
  恐らく2度と経験することのない、そしてできれば1度たりとも経験などしたくないものがフィナーレを迎える。全身の脈打ちでそれを知らせ、蓋をされていながらも声にならない叫びで、言うならば唸りで証明する。はずだった。
 

  溢れでる快楽の証明、それを丁寧に舐め拭き取ったかと思えば、胸の辺りにあったざらざらとした感触が消える。口を犯していたものは1度離れ、1呼吸はさみ、また犯し始める。
  そしてグングニルは再び肉に包まれる。しかし今度は水分もなく、しまりもなく、まるで新聞紙のようなもので擦られているようなもので、ふと妙なことを、要らぬことを考えればヤスリで擦られるよりも悲劇的な現実を突きつけられてしまう。とてつもない不快を感じるが、己の菊門になにかを突っ込まれたことによって事態は急変する。肛門から侵入者が来たと思ったと同時に、口門を犯すものは去り、自由に快楽を主張することができた。すうっと息を吸ったその瞬間形容しがたい感覚が菊門から脳天に突き抜ける。
  後ろを犯され、うごめくなにかに合わせて自ら、淫らに腰を振り全身を痙攣させる様は人の雄にあらず。太く、たくましく、雄々しくそびえる肉棒は女にあらず。その様子は獣さながら。性獣と化した物の果てというものは恐ろしいもので、長い間の絶叫の後に絶頂を迎える。

  薄れ行く意識、体の力が抜けていくのを感じるなか俺はオージの言葉を思い出す。
「欲情したら、己の欲望に負けたら相応の罰を受ける」
  ドクンドクンと脈打つグングニル。全部出しきったのを感じたあと意識を失った。

       

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Neetsha