Neetel Inside ニートノベル
表紙

昇天の拳
で、出たーww自宅に知らない男奴wwwwww

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男の朝は早い。1日の始まりはシャワーから始まる。上半身、下半身共にがっちりしているバランスのとれた筋肉。かといってゴリゴリというわけではない。品の良い体つきだ。ブーメランパンツが様になる細マッチョ……というべきか。
顔つきは、普通の感性をした女性を100人集めたら100人は「良い男」という評価をするだろう。ある程度整えられた髭に少々濃い顔つき。お洒落にウェーブし、見苦しくなく女々しく見えない程度の長髪。洒落た女子大生向けの雑誌に「ワイルド男子」と紹介されるだろう。

シャワーを浴びたあとは朝食。米だのパンだの彼にこだわりはない。今日の朝食は熱々トースト。バターをつけ、リモコンを手に取りテレビをつける。今日のニュースが流れる。コップに牛乳を注ぎ、トーストと共に喉に流し込む。
「日中はぽかぽか陽気ですが、夜は一気に冷え込むでしょう。防寒の処置が必要になりそうです」
仕事の準備に取りかかる。日本での仕事は久しぶりだ。いや、初めてだな……

「やー、疲れた疲れた!」
百合草小春は倒れ混むようにベットに身体を預ける。彼女の体重を、ふかふかの羽毛布団が吸収すると同時に暖かく包み込む。
そのままベットの上を這いずり、両手でやっと抱えられるウサギを模したまん丸クッションに顔を埋め……
「もふもふが気持ちいいよぉ。うりうりうりうり」
そこらの小動物よりも心をほっこりさせる彼女の年は現在18歳。今年高校を卒業したばかりである。しかし、今見せた仕草と幼い顔つきのお陰で年相応に見られたことは少ない。唯一大人を思わせるのは胸の大きさくらいだろう。それも人並みよりちょっと大きいくらいなのだが……

「そろそろ来るはずなのになぁ」
退屈そうにスマホを弄る小春。その時チャイムの音がなる。ビュンと飛び上がりドタドタと玄関口まで行くと第一声「どちらさまですか?」
「先程連絡頂きました指扇です」
「はいはーい!」
小春が勢いよく扉を開ける。現れたのは、小春よりも一回り大きい男だ。そしてなにより……
「かっ……カッコいい!」
およそ、日系人とは思えない濃い顔つき、ほどよく整えられた髭、ウェーブのかかった長髪。男ですらおもわず「良い男」と思わせてしまう。
「こんばんわ、またお会いできて嬉しいです。小春さん」
「えへへ、そんなそんなぁ。指扇さん」
顔を赤くしてもじもじする小春。
「それでは、部屋に入ってもよろしいでしょうか?」
「ひゃっひゃい!」
「ふふふ、緊張なさらなくて良いんですよ」
指扇の指摘に更に顔を赤くする小春。
「だっ……だって……男の人……しかも大人の人を部屋に入れたことがないから」
「なら、僕が初めてですね」
そのまま靴を脱ぎ、小春の部屋に入っていく。
「あー!待って待ってぇ」
「うん、なかなかファンシーな部屋ですね」
指扇の感想通り、部屋の至るところには小動物を模したぬいぐるみが大量に置いてある。
「素敵ですね」
「ほ、本当にそう思います?子供っぽくないですか?」
真剣な表情で問いかける小春。
「子供っぽいと思われるのが嫌なんですか?」
「な、なんでわかったの!」
「顔に書いてありますよ」
茶化すようにウインクをする指扇。
「あんまり長居するのも悪いので、そろそろ始めますね。では、脱いでください」
「あ……はい」

「あたしの性格や趣味のせいでもあるんですけど、どうしても子供扱いされて……」
シャツを脱ぐ。隠れていた柔肌が光に照らされる。
「それがどうしたんですか?」
「だって!酷いときには中学生だと思われるんですよ」
その幼さとは正反対な胸の膨らみが自己主張を始める。が、すぐにうつ伏せになってしまったため、押し潰される。
「気に病む必要はありませんよ。小春さんも年をとっていけばいずれ年相応に見られていきますよ」
「でも、それって、今のままじゃ駄目……」
ズボンを脱ぐ、下着が現れる。
「そんなことはありませんよ。今のままでも充分素敵です。長く生き、色んな人に触れあうことで人は成長していくんです。貴方にはそれができます。今のような好奇心を持ち、長く生き続ければ」
「で、できるかなぁ」
晒される美脚。肉厚のふともも。
「できますよ」
指扇は、小春の足首を両手で優しく包み込み、徐々に、ゆっくりと撫でていく。
「では、始めます。リラックスしてください。まずは筋肉の緊張をほぐします」
「はい……」
ふとももまで行ったら手を離し、再び足首へ、それを2、3回 繰り返したところで、もう片方の足にも同様なことを行う。
「痛かったら言ってくださいね。前回みたいに、我慢をしても良いことはありませんから」
「はい」
半ば夢心地のような声で返事をする小春。
伸びていく指扇の五指。
「あっ!んんん!」
気持ちよさを耐えるように口を紡ぐ。
「ふむ、ここか……」
指扇は力加減を調整しながら攻めていく。
「指扇さん……あたし……もう……」
小春の限界は近いようだ。
「良いですよ。貴方の思うようにしてください」
「じゃ、じゃあ……おやすみなさい」
虚ろな目が閉じられる。と同時にすぅーっという寝息。
「さて、ここからが本番だな」
小春の体にローションを垂らしていく。容器には「マッサージ用」と書かれている。

     

起きてすぐに異変に気付いた。体がかなり軽い。なにも感じない。それは良いことであるが、今回に限っては違うように思えた。
「さ、指扇さん。体に力が入りません」
「そうだろうな、施術の時間は5時間。それだけあればお前の筋肉を機能不能なレベルまで追い込むことができる」
指扇の態度の急変に心臓の音が速くなる。うつ伏せの状態故に確認することはできないが確かにこれは指扇の声だ。さっきまでの違いはその声に敵意があるか、ないかの違いで現在は前者である。
指扇の顔が確認できないのは先ほど言った通り、体の自由が全く利かない。首を左右に振ることさえできないからだ。
「ど、どうしたの、ねえ!怖いよ!助けて!」
必死の叫びに対して返ってきたのは残酷で信じられない言葉だった。
「お前を殺しに来た。ただそれだけだ」

事態を飲み込むことができなかった。逃げなきゃ!だれか助けて!それを口に出すことはできない。恐怖で氷ついてしまったせいか涙すらでない。突きつけられた宣言を受け入れらない。
「!!!!!」
突如背中を押される。さっきまでの優しさとは違い、思いっきりつぼを圧されるような感覚だ。しかし痛みはない。
「お前の体には仕掛けをさせてもらった。まずはあらゆる感覚をなくすつぼを押させてもらった。寝ていてもらって助かったぞ」
あらゆる感覚をなくすツボ。まるで漫画の世界のような話だ。だが、今言われたことが自分の体で実際に起きている。
「そして今押させたもらったツボ。これは、あらゆる感覚が研ぎ澄まされるツボだ。それをかなり強く押させてもらった。常人には耐えられない強さでな」
「な、なにをするつもりなんですか?」
「まて、慌てるな。最後にこれを聞いてからだ。まず、貴様のあらゆる性感帯を刺激させてもらった」
頭のなかで?マークが思い浮かぶ。その"せいかんたい"とはなんなのか?
「その様子では知らないようだな。簡単にいうならば"快楽を感じる場所"のことだ。人によって場所はまちまちであるが、前回のマッサージと今回のマッサージで全て掌握させてもらった」
言ってる意味をほぼ理解できない。ただ唯一わかったのは、自分の体にとてもエッチなことをされたということだ。
「で、でもそんなことをしてどうするんですか?」
「お前にはイッテもらう」
「……なにを言うんですか」
恐らく指扇は自分の反応に困っているのだろう。うーん。という声が聞こえる。
「お前は背中撫でられた時にどう感じた?」
「なんか、むずむずして、くすぐったかったです」
「それをお前の性器。所謂ヴァギナで感じて貰う」
「お……おま〇こで……ですか」
「あぁ、お〇んこで……だ」
なおさら意味がわからなくなる。そして物凄いセクハラをされた。
「さぁ、お別れだ、去らばだ。百合草小春」
仰向けにされ、パンツを脱がされる。この展開は保健体育の教科書や、性教育でならった気がする。非常にまずい。
「や、やめて!それだけは!」
「問題ないお前の処女は奪わん!」
股ぐらに指を押される。その瞬間だった。信じられない快楽が全身を襲う。スプリンクラーが発動したのか、布団が濡れていく。そして一気に視界が白くなりそれから……

     

何度か聞いた甘い絶叫。ただ、今回は一味違かった。現在進行形で潮を吹き、両足どころか全身が痙攣を起こし、涎まで垂らすという醜態を晒した今回のターゲット。無理もなかった。これが初めての経験だからだ。
「そろそろ頃合いか」
上半身の痙攣がおさまった頃に心音、脈を確認する。ちなみに下半身は未だに痙攣を起こし、潮吹きシャワーは終わっていない。
「……大丈夫。死んでいる」
「惨いのぉ、こんな娘に……」
「その惨い死に方を彼女に押し付けたのはあなただろ?じいさん」
指扇と喋っているのは60を越えたであろうおじさんと、おじいさんの中間にいる、所謂おっさんだ。
「まぁ、それもこれも彼女の家族のせいでもある」
「正当化か?」
嫌味のこもった口調だ。ただ、じいさんと呼ばれた彼は一言だけ答える。
「そうかもしれんのぉ」

小春の痙攣がおさまった頃に、じいさんこと、下部直助は少女の様子を見ながら指扇に聞く。
「お前さんの暗殺術……あまりにも特殊過ぎんかねぇ」
「あぁ、"昇天術"のことか?」
「その昇天術について詳しく聞きたいんじゃが……」
指扇は少し悩む様子を見せるが、澄んだ瞳を下部に向けながら答える。
「昇天術は名前の通り、相手を天に昇らせる業だ。そして、その方法は快楽によってだ」
「快楽……か」
「あぁ、メカニズムは簡単だ。人間の絶頂時に心臓へある程度の負担がかかる。有名なのは、一度の射精での心臓への負担は100メートル走を全力で行った時と同じ。という話だな」
更に話は続く。
本来ならばこの程度の心臓負担では死なないように人間の体は作られている。だが、特殊な条件下ではこれで人が死ぬこともある。
「要するに……テクノブレイクという奴じゃな」
「まぁそうだな。だが、これはたまたま持病を持っていて、たまたま発動する。そのたまたまを必然にするのが昇天術だ」
まず、テクノブレイクの原理。これは、血液の送りすぎによる動脈瘤の発生。そしてそれが破裂することによって血液が大量に漏れ意識を失い、死に至る。他にも色々あるが、これが一番わかりやすい。
「そして昇天術とは、興奮状態をあらゆる手段をつかい変幻自在に操る奥義だ。今回彼女に使ったのは、マッサージによる心身の安定、執拗なストレッチによる筋肉の衰退……そして、昇天術の一番の特徴が、"快楽秘孔"の存在だ」
秘孔。それは所謂"ツボ"のことであり、医学的にも知れ渡っているだろう。
だが、これは健康促進だけでなく、内部からの肉体破壊。身体能力の上昇。拷問にも使われたのは有名な話だ。そして秘孔の数は数百、数千と言われている。
「今回彼女に使ったのは、あらゆる感覚をなくす秘孔"否感孔"それと対をなす、あらゆる感覚に敏感になる"絶感孔"そしてあらゆる性感帯の快楽を溜め込み時間差で発生させる"遅孔"の3つだ」
これを組み合わせることによって彼女に人間の限界を超える快感を与えたのだ。
「そして興奮、及び絶頂によって心臓の鼓動は一層速くなり送られる血液の量も尋常なものではなくなる。そしていずれ内側から……ボン!だ」
「昇天術……なるほど恐ろしい暗殺拳だな」

       

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Neetsha