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★新都社11周年記念・作品感想企画★
少年・星の河を翔ける少年

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【雑誌】少年VIP
【作品タイトル】星の河を翔ける少年
【作者名】キャキャロット
【作品URL】http://hoshikake.com/index.html




【パクリではなくオマージュ】
 作者自身もネタにしているので遠慮なく他作品の名前を出すが。
 ドラゴンボール。
 もうその一言に尽きる。
 作者名もカカロット → キャキャロットだろうし、どこまでもドラゴンボールのパクリ…いや、オマージュが見られる。
4/6更新分ではカメハメ波を…(笑)
 そうだパクリでは断じてない。
 パクリとオマージュの境界線とは、そこにリスペクトがあるかどうかだと思う。
 その点、本作はオマージュだと感じられるのだ。
 私もドラゴンボールは大好きなので、個人的には読んでいてとても楽しかった。


【王道少年漫画】
 ドラゴンボールでもそうだったが、主人公がどんどん成長していくワクワク感がある。
 次々とインフレしつつ強くなっていく敵に立ち向かうため、主人公もそれに合わせて強くなっていく。
 読者は主人公の成長と自分を重ね合わせ、自分も強くなっていくような快感がある。
 冒頭、主人公の星河翔(名前も少年漫画らしい)は、ヴァゾルという悪の宇宙人組織がまいた毒ガス兵器により、地球人ただ一人の生き残りとなる。
 生き残った星河はヴァゾルに対抗する宇宙連邦組織のアヴェルトとその隊長ガッゼルに拾われ、ヴァゾルに対抗する戦士になるべくアヴェルト士官学校に入る。
 そこで仲間に恵まれ、クラス対抗戦で実戦経験を積んでいく。
 というところまで進んでいるのだが、王道イズ王道な展開。
 地球の家族や幼馴染などをすべて殺された星河だが、2話ほど回想シーンを挟み、戦いを決意するまでの人間的成長が丁寧に描かれている。
 ダークな復讐鬼になってもおかしくないのにそうはならず、ポジティブに少しエッチで軽薄な顔を見せつつもがむしゃらに突き進む星河。
 少年漫画の見本のような主人公で実に好感が持てる。
 安心して読める王道っぷりである。


【勢いがある】
 若干、雑かな?という作画だが、スピード感があるし、ドラゴンボールっぽい顔をした敵キャラも出てきて楽しい。
 何より勢いがあるので、整ってはいても同じ構図ばかりとか、会話劇ばかりでまったく動きがない漫画などは見習ってほしいぐらいだ。
 このままどんどん描き進めば絵も整ってくるだろうし、期待したいところ。


【先の展開が楽しみ】
 現在はまだクラス対抗戦をやっているが、決勝戦にもなっているしそろそろ終わりそう。
 色んな特質をもった宇宙人が出てきて中々楽しませてくれた。
 が、しょせんは学生同士の武道大会であり、どうせ主人公が勝つんだろ?と、余り緊迫感というものはない。
 マッシュ・デードロは最初は嫌な奴という印象だったが、4/6更新分では戦いを通して友情が育まれそうな雰囲気を出している。
 段階を踏んでいるなという丁寧さを感じる。
 地球での回想シーンもそうだが、作画はちょっと雑なところが見られるのに反し、展開は実に手堅い。
 次はいよいよヴァゾルとの戦争に突入していくのだろうか?
 またはせっかく学園ものの要素もあるので、もう少し学園生活が描かれるのか?
 いずれにしても楽しみである。
 ただ一つ注文をつけるとすれば、余りに王道すぎて「こう来たか、じゃあ次はこういう話になるな」という感じで、数ページ先・数話先の展開の予想がついてしまう。
 伏線となっている要素も散りばめられてはいるので、良い意味で予想を裏切って欲しいところだ。
 ドラゴンボールのオマージュだけで終わるような漫画ではないと思う。
 期待したい。

       

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